大人気作品が実写化
講談社の漫画雑誌「イブニング」により2014年~2017年まで連載された「いぬやしき」が2018年より実写化となります。2017年10月~12月までアニメ化もしていましたが、私は単行本を集めており、原作からアニメ、そして今作の映画化と非常に楽しみです。
監督は「図書館戦争シリーズ」「アイ・アムヒーロー」「BLEACH(公開予定)」などを手がける佐藤信介。今作の犬屋敷壱郎を演じるのは木梨憲武(とんねるず)、獅子神皓を演じるのは佐藤健と豪華キャストとなっています。さて、気になるストーリーですが。
会社や家族から疎外されている、定年を目前に控えた初老のサラリーマン・犬屋敷壱郎。医者から末期がんによる余命宣告を受け、虚無感に襲われた犬屋敷は謎の事故に巻き込まれ、機械の体に生まれ変わる。犬屋敷と同じ事故に遭った高校生の獅子神皓も犬屋敷と同様に人間を超越した力を手に入れていた。自分に背く人々を傷つけるためにその力を行使する獅子神。獅子神によって傷つけられた人たちを救うためにその力を使う犬屋敷。強大な力を手に入れた2人の男たちのそれぞれの思いが激しく交錯していく。 (映画.com引用)
今作は第36回ブリュセル国際ファンタスティック映画祭で「インターナショナルコンペテイション部門」でグランプリにあたるゴールデン・レイヴン賞を受賞しました。VFXなどを注目して観ていきたいと思います。では、早速ですが感想とレビューを書いていきたいと思います。
原作・アニメ未視聴でも楽しめる作品
今作の「いぬやしき」を観て感じた事は原作を観ていない人でも楽しめる作品に仕上がっていると思いました。昨年公開された「東京喰種」を観た際に私は「原作を観ていない人には訳が解らない作品」とコメントをしました。
しかし今作は未読・未視聴でも楽しめる作品になっている事は個人的に好印象でした。また犬屋敷壱郎を木梨憲武という以外な人選で当初は驚きましたが、視聴してみると全く違和感がない。ドラマで主演を努めた事がある木梨憲武ですが今作の功績は今後の俳優業としての道を大きく切り開いた作品になったのではないでしょうか。
勿論、佐藤健の演技も素晴らしかった。獅子神皓は原作でも無表情で感情が分かりづらいキャラクターなのですが見事に演じていました。ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭で受賞した作品なだけに主演を努めたお二人の功績は非常に大きいと思います。
原作とは違う終わり方だが、それでも良いと思えた
原作とは違う部分が多々ありましたが、私はそれでも良いと思える作品だったと思えます。中には「続編があるのかな?」というコメントがTwitterでもありましたが、あの終わり方で続編を作るとすれば2作目はオリジナル要素を多く作成する必要があります。
私はこういった実写化した映画の感想を書く際に「オリジナル要素を入れた映画で成功した映画は少ない」と書きます。そういった事を考えると原作とは違う終わり方だが、あれで終わりだと思った方が個人的にスッキリしますね。
日本の邦画にしてはVFXが頭1つ飛び出している
最近の邦画でもVFXを使われていますが、今作「いぬやしき」は他の作品とは違い頭1つ飛び出しています。例えば「いぬやしき」と言えば全身が機械化されている設定があるのでそれをCGで作成されています。
そのため360度からデータを作成出来る機械を使うため、木梨憲武を台湾に連れていきデータ作成したとあります。肌の質感、髪の毛。光の当たり具合は顔の表情まで。細かいデータを取り込み劇中で使われています。
新宿の街は完全にCGで作成されていてVFXの規模で言えば邦画作品としては異例と言っていい作品となっています。高校生の獅子神皓と定年間近の犬屋敷壱郎。同じ機械の体ながらも、その年齢や体に対する理解度。そういった細かな動作まで再現されているというのは観ていて凄いと感じました。
個人的には邦画アクションの中では”上々”な作品
アクションに関しては良い作品だと思います。原作を観ていない人も楽しめる作品だと思うのですが原作を観ていた人からするとストーリーは少し物足りなかったという印象でしょうか。演技・VFX技術などは良かったのですが良いシーンがカットされていたのが少し残念に思えました。例えば獅子神皓が警察と戦うシーンや、原作のラストなど。
個人的に好きだったシーンがカットされたり改変されていたので、そこがモヤっとしたポイントですね。それが以外は良い出来です。
パンフレットでは各出演陣のコメントは勿論ですが「CG&VFX」や「Production Note」などは必見です。特にCG&VFXは読んでほしいコンテンツですね。映画を観た後楽しめる話が沢山掲載されていました。
今週は2周目に突入していますが「名探偵コナン ゼロの執行人」が1位をキープし初登場公の「レディー・プレイヤー1」が2位となっています。
いぬやしきは初登場5位という結果ですが個人的には”まずまず”という結果ではないでしょうか。「レディープレイヤー1」や「名探偵コナン」といった強豪が多い中で5位に入ったのは優秀だと思います。気になる方は是非劇場に観に行ってくださいね。
これにて映画「いぬやしき」の感想・レビューを終わりたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。
追記:AmazonとGyaoストアでレンタル開始!
早くも「いぬやしき」がAmazonとGyaoストアでレンタル開始となりました。アニメを実写化した作品の中では評価が上々なので是非多くの方に観てほしい作品ですね。
見どころなどは上記の感想・レビューに書いていますので、そちらの記事を観ながらでも映画をお楽しみ下さい。