近畿地方から送るゆる~いブログ

rel=”canonical” https://yuruiblog.com/

近畿地方から送るゆる~いブログ

近畿地方、主に滋賀県からお送りする雑記ブログです。映画や読書、滋賀県の素敵な観光地からお食事まで様々な事をご紹介したいと思います。

【読書】「君たちはどう生きるか」を読んで「昔」の自分と「今」の自分を比べる事が出来た

日本中で大ヒット中の「君たちはどう生きるか」

f:id:masanori1989:20180201151312j:plain

漫画版が累計120万部突破し日本全国で話題となっている「君たちはどう生きるか」。実は小説版は学生時代に読書感想文として書いた事があり、内容はだいたい知っていたのですが、漫画版を購入する際に再び小説版も買ってみることにしました。

 

この作品の主人公である本田潤一くん事「コペルくん」は学業優秀でスポーツも決して悪くはない。ある程度の人望もありマジメな生徒といえるでしょう。そんなコペル君と叔父さんがコペル君に書いたノートで「ものの見方」「構造」「関係性」など様々なテーマを題材とした解答をコペル君に教えてあげるのです。

 

コペル君自体は学業優秀という事もあり、叔父さんの話を理解し「人」として成長していく姿が今作の面白いポイントでもありますが、コペル君に影響され叔父さんも変わっていきます。この作品の最後として読書に「君たちは、どう生きるか」と訪ねて終わるのですが、学生時代に感じなかった事をブログで書いてみたいと思います。

 

大人になるにつれて解らなくなる”地動説”という話

地動説と言えば小学生の理科の時間で習うほど、知らない人はいない言葉だと思います。今回の「君たちはどう生きるか」でも例に出される地動説なのですが、簡単に書くと宇宙の中心は対応であり、地球は他の惑星と共に太陽の周りを自転しながら公転している。この事を16世紀に入りコペルニクスが唱えた。

 

この本では「地動説」を例に出しているが私が自分で言う事ではないですが、出来た人間とは言いにくい。仕事でも怒ってしまう時は、怒ってしまい後で反省する事もあるが、叔父さんのノートには「地動説のように中心に考えないで、考えられる人間はごく”まれ”なんだ」と書いてあるが、実際にはその通りだと思う。

 

特に自分自身が大変な時に他人の事を心配出来る人間は何人いるだろうか。それをお人よしと見るか、また善人と見るか。自分を中心に考えて行動するまるで”天動説”のような人は大人になれば駄目だと解っていても、大人になればなる程難しくなっていくように感じた。もし仮に「誰かがピンチの時にそれを助けられるか」という議題をした際に多くの人は「助ける」と答えると思う。

 

しかし私は「解らない」と答えるでしょう。大人になるにつれて様々な事が脳裏に過るからだ。コペルくんのお母さんが昔「神社の階段を登っているお婆さんの荷物を持つ際に声をかけれなかった事を後悔している」と話しています。

 

それと同じで「お婆さんが断ってきたらどうしよう」「荷物を持つことが迷惑になるかも知れない」「お節介かも知れない」など考えてしまうからでしょう。大人になるという事は考えられるようになるが、それが逆に邪魔をしてしまう時もある。そんな事を考えさせられました。

 

雪合戦のシーンはこのストーリーで最も読んで欲しい場面

コペル君たちが雪合戦していると北見君たちが上級生に絡まれ、殴れている時にコペルくんは助ける事が出来ず、2週間近く悩み学校に行けない。というシーンがあります。

 

もしかすると読んでいる人の中にはコペル君と同じ経験をした事があるのではないでしょうか。上級生では無いですが、友人が虐められていたりした時に「あの時声を出していれば」という気持ちになった事は無いでしょうか。

 

コペル君が悩み叔父さんに「どうすれば良いのか」と悩みを打ち明けると「許すかどうかは北見くんたちが決める事であり、許して貰いたいと手紙を書くのは間違っている。しかし自分の偽りのない言葉を伝える事は大事だ」とこのセリフは好きなワンシーンでもあります。

 

コペル君の手紙を読んだ北見くんたちは手紙の返事を出さず、コペル君が学校に来た際に「言葉」で伝えようとガッチンが言い出し「文章が苦手だから言葉で伝える」という言葉も好きなワンシーンです。

 

この本が初めて出版されたのは1937年の「日本小国民文庫」から出版されました。小国民というのは当時の「小学生」なのですが初めてこの本が出版されてから81年もの歳月が経っているにも関わらず「人間」という根本的な中身は変わらないという事がよく解ります。

 

時代が進み、技術が発達しSNSなどの文化が主流となっている現在だからこそ、人間関係がややこしく一歩前に出たくても、出れない世の中になっているのではないでしょうか。

 

もし「自分」ならどう考えるか

仮にもし私が「君は、どう生きるのか」と問われた時に「自分の意見をしっかり持つ」といいます。これは今回、この本を読んだからという訳ではありませんが、こういった時代だからこそ周りに流されないで自分の意見をしっかり持つ事が重要だと感じているからです。

 

ブログを書いていて「炎上する人」と「炎上しない人」というのは違うようで、似ていると思います。それは「思ったことを書いている」という点に関しては同じなのですが、書いている人の考え方一つで変わり、その思考というのは個性があるからだと思います。

 

誰もが同じ文章を書き、読み手も「またこんな文章か」と飽きてしまう。「自分の意見をしっかり持つ」という事は賛同や批判の際にも非常に大事だと感じます。

 

コペル君が出した答えというのは中学生らしい考え方なのですが、それはコペル君が周りの人に恵まれていたという点が非常に大きい。仮にコペル君の考えを否定する人物が大勢いたのであればコペル君の純粋さは消えていたかも知れない。

 

ただこの本を読んで「こういった考え方があるのか」と一つでも思ったのであれば今後何かあった際に大きな経験になると思います。大人だから遅いという事はなく、大人だからこそ気づかなくてはいけない考え方もあるという事です。

 

読書感想文・夏休みの課題で本作を書く課題学生たちへ。

苦しい時だからこそ人は成長する。その時に何を思い、何を得て経験となったか。その事について書くと書きやすいと思います。きっとコペル君を自分に置き換えて読むと、この作者が何を伝えたかったのかが良く解ると思います。

 

君たちはどう生きるのか。を読み感じる事は子供目線で読むときっと「おじさん」がコペル君に伝えた事を読み返し「なぜ、おじさんはこんな事を言ったのだろうか」と考える事もあると思う。その事について書くと、またコペル君目線とは違った感想になるので、そちらについて考えてみる事をオススメします。

 

「大人」だからこそ読んで欲しいと思える1冊

この本が売れている大きな理由は何か。私なりに考えてみました。きっとこの本を求めている人は「答え」を知りたいのかも知れません。

 

何が正解で、何が不正解なのか。学業では「正解」「不正解」と必ず答えがありますが、社会に出ると、どちらが正解なのかが解らなくなってくる時があります。これは年を重ねるごとに解らなくなっていく。しかし「答え」を知りたくても教えてくれる人が少なく、相談も出来ない。

 

そんな大人への「近道」と思って読んでみると良いかも知れません。「自分で選択し、決定する事の大事さ」をコペル君は最後に実感しています。その後に序盤でも書きましたが「君たちは、どう生きるか」と終わっています。この最後の答えは人によって違います。答えは無いのですが、答えの近道として。この本を私はオススメしたいと思います。

漫画 君たちはどう生きるか

漫画 君たちはどう生きるか

 
君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか