中国産アニメーションとして歴代No1獲得
誰もが知っている「最遊記」を完全3DCGで作成し、2015年に中国で公開された際、国産アニメーションとして歴代1位の興行収入(日本円で192億円)という大ヒットした作品が2018年1月13日より公開されています。さて、気になるストーリーですが。
長きにわたる封印から目覚めたものの、本来の力を発揮できずに自信を失った孫悟空が、子どもを連れ去る妖怪たちに立ち向かっていく姿を描く。伝説のヒーロー、孫悟空が五行山に封じ込められてから500年。妖怪の存在に脅かされている長安の町に暮らす孤児の少年リュウアーは、ある日、妖怪に襲われていた女の子を助ける途中で五行山に迷い込み、偶然にも孫悟空を目覚めさせてしまう。ところが、目覚めた悟空の力はいまだ封印されたままで、本来のパワーを発揮できず……。(映画.com)
「誰もが知っている最遊記」を「誰も観たことがない最遊記」となっているので非常に気になっていました。日本語吹き替え監修を「コクリコ坂から」「山賊の娘ローニャ」の宮崎吾朗監督が担当しています。一体、どのような最遊記となっているのか。早速、感想とレビューを書いていきたいと思います。
心奪われる程の美しい3DCG
細かく描かれている3DCGは本当に関心しました。3DCGアニメーションという分野ではハリウッドに負けない程クオリティが高く、映像の魅せ方は、中国らしいと思えるシーンが数多くあります。
カンフーの要素を取り入れたアクションや独特の色彩。弓や槍といった武器など細部までこだわったCGは観ていて心奪われてしまいます。
龍のたてがみは一本一本滑らかに動いており、飛ぶ姿はスピード感溢れ、そして力強い。日本とは違った3DCGの魅せ方は観ていて面白いと感じました。
ストーリーは私達の知っている西遊記とは異なる
封印され、お釈迦様に力を封じられている点は同じですが三蔵法師がいない為、お経を読んで締め付ける「緊箍児(きんこんじ)」が無い。その代わり腕に力を封じる腕輪が
付けてある。
また猪八戒はいるのですが、沙悟浄がいない。そして今作の主人公である「リュウアー」という少年が孫悟空を復活させ一緒に旅をする事になる。従来までの西遊記は旅を続ける事によって「信仰」を深めていく目的があるのですが、今作にはそういった目的はなく主人公が元にいた場所に帰る事が目的となっています。
「誰も観たことがない西遊記」というテーマ通り、私達が知っている西遊記とは違い、どちらかと言えばドラマチックのような。ファンタジー映画を観ているような気持ちになる作品となっているのではないでしょうか。
今作のストーリーは「成長」をテーマにしている
今作はどのようなテーマなのか。やはり「成長」ではないでしょうか。孫悟空が500年もの長い間、封じられていた原因は自己中心的な行いや天界を騒がせた事による”罰”です。しかし、そんな孫悟空がリュウアーによって変わっていく。
最初は煩い子供から逃げるように逃げていた孫悟空も、段々とリュウアーを守りたいという気持ちに変わっていくのです。リュウアー自身も昔から聞かされていた斉天大聖の孫悟空と出会えたことは大きな希望になったと言えます。
昔から憧れていた斉天大聖と出会い旅を続けたリュウアーも「勇気」を持ち、化物と戦う姿勢は斉天大聖「孫悟空」と変わらないものがありました。
日本ではイマイチ!?個人的に良作!
私が観た時には劇場で私1人だけという貸切状態でしたが、個人的に今作の西遊記は良作だったのではないでしょうか。
「中国アニメーションNo1」というフレーズが気になってので軽い気持ちで観たのですが、ラスト10分はウルっときてしまいました。子供だけではなく大人でも楽しめる作品となっていますね。
さてパンフレットですが日本版吹き替えキャストインタビューと今作の制作秘話、原作西遊記と今作の関係性などが掲載されています。そういった裏話を知りたいという方は是非パンフレットを購入して観てみてくださいね!
これにて映画「西遊記 ヒーロー・イズ・バック」の感想とレビューを終わりたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございます。