発行から83年経った今でも色褪せない作品
オリエント急行の殺人事件とはアガサ・クリスティによって1934年に発表された14作品目となる長編推理小説となります。エルキュール・ポアロシリーズとしては8作品目となる今作ですが1974年に映画化され、日本では「オリエント急行殺人事件」という題名で2夜に分けて放送されました。
今作の内容も知っている人が多いと思いますが、あらすじを書きますと。
トルコ発フランス行きの寝台列車オリエント急行で、富豪ラチェットが刺殺された。教授、執事、伯爵、伯爵夫人、秘書、家庭教師、宣教師、未亡人、セールスマン、メイド、医者、公爵夫人という目的地以外は共通点のない乗客たちと車掌をあわせた13人が、殺人事件の容疑者となってしまう。そして、この列車に乗り合わせていた世界一の探偵エルキュール・ポアロは、列車内という動く密室で起こった事件の解決に挑む。(映画.com引用)
では、早速ですが感想とレビューを書いていきたいと思います。
ストーリーを知っていても楽しめる豪華キャスト陣
ケネス・ブラナー、ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、ジュディ・デンチ。登場人物はすべて豪華俳優・女優陣で作成された今作。
今作を観るにあたってオリエント急行殺人事件(1974年)を観たのですが、その際にもアルバート・フィニー、リチャード・ウィドマーク、アンソニー・パーキンス、ショーン・コネリーなど豪華俳優・女優陣で作成されています。
冒頭でも書きましたがラストを知っている人が多い作品で「どの部分で魅せるのか」と言えば一番最初に目に入るキャスト陣ではないでしょうか。ストーリーを知っていても各々の演技力が素晴らしいので退屈しない作品となっていました。
現代の「オリエント急行」が面白いと感じた
オリエント急行が走っているシーンなどは勿論の事ながら社内の装飾品などの細かな技術などは新しいオリエント急行がここに誕生しているなと感じた。
今回は列車の中で起きる殺人事件をテーマにしていますが室内を上から見下ろすように撮影したりなど撮影技術にも拘りを感じました。
1974年に公開されたオリエント急行とはストーリーは同じだが、撮影技術や小物などで差別化をきっちり行っているのは好印象です。
新たな「ポアロ」が誕生し”有り”だと感じた
ケネス・ブラナーの役作りはエルキュール・ポアロシリーズを全作品読破するという事が含まれていました。ブラナーは撮影1年前に自分自身の誕生日プレゼントして初版本「スタイズ荘の怪事件(アガサ・クリスティーの処女作品)」を購入したそうです。
今回のポアロは「杖」を使って攻撃するシーンがありますが、これはブラナーの案でもあるそうです。観客が不自然に感じないような設定でアクションを取り入れるには、どうしたら良いのか。その結果が「杖」を使い合気道の達人という設定を考えたそうです。
これが結果として私は新たなポアロは”有り”だと感じました。今までにない杖を使ったアクションはカッコよく、初めて観た人にとっては「杖」の印象はとても大きいものとなるのではないでしょうか。
ストーリーを知っていても「演技」を見ていれば楽しめる作品
さて今作を知っている人も多いので短めの感想・レビューとなってしまいましたが、最後はいつもより長く書いていきたいと思います。この映画を観終わった後、ブログを執筆しているのですが、レビューの多くに「ストーリーを知っているから退屈した」というコメントが沢山ありましたが、私は「演技」を観て欲しいと思います。
勿論1974年に公開された「オリエント急行殺人事件」は言えば歴史に残るサスペンス映画と言っても過言ではないです。ただ2017年に公開された今作も決して悪い作品だったかと言われると、そうではない。
演技で言えば全く引けを取らない作品に仕上がっているように感じました。今作も豪華俳優・女優陣で作成されて「これだけ豪華であれば当然」という声もありましたが、考え方を変えれば誰か個性的であれば今作は駄作になっていた可能性が高いという事。
各々のバランスがよく1人、1人のキャラクターがしっかり演技出来ていたのは、素晴らしいことだと思います。私はその点はかなり高評価だと感じます。
今作のパンフレットは各出演陣のコメントより「ロンドンプレミアム会見記」が文字起こしされていました。これを読み各出演陣がどのような点に気をつけたのかを知る事が出来たのは面白かったです。
これにて映画「オリエント急行殺人事件」の感想とレビューを終わりたいと思います。次回は「DESTINY 鎌倉ものがたり」のレビューを投稿したいと思うので是非読んでください。最後まで読んで頂きありがとうございました。
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