最強の美女戦士がここに誕生
DCコミックと言えば代表作はスーパーマン、バットマン。ザ・フラッシュやグリーンランタン、キャットウーマンなど名作が沢山あるのですが、今回公開されたワンダーウーマンもDCコミックの代表とも言える作品の1つです。
ワンダーウーマンが初めてコミックに登場したのは1941年のAll Star Comics #8の事です。それ以後、人気だったワンダーウーマンですが1986年に一時連載を中断していますが、現在でもDCコミックから出版されています。さて、今作は第一次世界大戦中のワンダーウーマンの活躍が描かれています。
女性だけの島のプリンセスだったダイアナが、いかにして最強の女戦士=ワンダーウーマンとなったのかが描かれる。女しかいない島で、プリンセスとして母親に大切に育てられてきたダイアナ。一族最強の者しか持てないと言われる剣に憧れ、強くなるための修行に励む彼女は、その中で自身の秘められた能力に気付く。そんなある日、島に不時着したパイロットのスティーブとの出会いで、初めて男という存在を目にしたダイアナの運命は一転。世界を救うため、スティーブとともに島を出てロンドンへと旅立つ。(映画.com引用)
今回の実写化はどんな感じだったのか。早速、感想とレビューを書いていきたいと思います。
純粋過ぎる女戦士
女性だけが住むセミッシラで育った王女のダイアナ。そのせいか専門的な知識を知っていても、一般常識が解らないというキャラになっている。例えば性に関する知識はあるが「本では女性は気持ちよくなく、男性だけが気持ちいい」という会話が本編で登場しますが、そういった「純粋過ぎる」という部分が多く見られます。
言葉を変えれば世間知らずとも言える。長年セミッシラで仲間たちと過ごしていただけのダイアナにとって外の世界に存在するものすべてが新しいものばかり。
スティーブ・トレバーが持っていた時計をみて「それは何するもの?」という質問に対してスティーブ・トレバーは「これを見て、朝起きたり、朝食食べたり、仕事に行ったりする」というとダイアナは「じゃ、これに縛られてるのね」と答える。そういった会話というのは、当たり前に過ごしている人からすれば驚きの解答かも知れない。
ストーリーが進んでいくごとにダイアナの成長が見られるが、最初と最後ではダイアナは大きく成長したと言える。人の心を理解し「正義と悪」の判別がある程度見分けられるようになったダイアナは立派な戦士と言えると思う。
悩む美女戦士
上記で「純粋過ぎる女戦士」という話をしましたが、純粋過ぎるダイアナは作中で様々な事に悩みます。例えばスティーブ・トレバーが自分の上司にあたる閣下にマル博士の手帳を入手したと報告に行くシーンがあるが、その時にダイアナは司令官というものが前線で戦わないで議論しているだけというのはおかしい。しかも兵を死んで当然みたいな言い方をしている。と怒るシーンがある。
ダイアナが育ったセミッシラでは司令官は前線の前に出て一緒に戦い、行動するものだと教わってきたからだ。前線に行きたいと言っていたダイアナが目にしたのは傷ついた兵士や戦争によって家や家族を奪われた市民の姿などに言葉を失う場面もある。
そういった場面に驚き、悩み、解答を得ようとするがスティーブ・トレバーは正しい解答を答えなかった。いや、正しくは答えがないとも言える。それだけ戦争というは正しい答えが無いのでしょう。悩むダイアナの姿は純粋さゆえの苦しみだと感じました。
舞台は第一次世界大戦、その背景がよく解る
ワンダーウーマンを観ていて関心したのは第一次世界大戦の背景が上手に描かれている事が感心した。第一次世界大戦と言えば近代兵器が使われだした最初の戦争で、ワンダーウーマンの中でも登場する「毒ガス」。
ダイアナとスティーブ・トレバーが阻止しようとしていたのも新型毒ガス爆弾開発の阻止でした。マル博士が開発していたのは「ガスマスクが通用しない強力な毒ガス」という。初めて毒ガスが戦場で使われたのは1941年。それ以後は各国は毒ガスとガスマスクの開発に力を入れる事になるのですが今作のワンダーウーマンもそれがよく解る。
また機関銃や戦闘機など近代武器が登場し戦争で使われていますが、作中でもその存在感はありました。機関銃がダイアナを攻撃し盾で防御するシーンは個人的に好きなシーンです。ダイアナが負傷した兵士などに絶句したシーンなどを見ると、中には近代兵器で怪我をした兵士もいました。そういったシーンを観ると近代兵器の殺傷力の高さがよく解ります。
アクションは文句なしの大満足
ワンダーウーマンのメイキング映像を見ましたが主演であるダイアナを演じるガル・ガドットは本当によく頑張っていたと思います。アクションに関してはガル・ガドットは18歳から2年間、イスラエル国防軍で戦闘トレーナーの職務に就いていたそうで「その時のトレーニングを思い出せて良かった」とコメントしています。
また撮影したイギリスでは寒く、他のキャストはウールなどの暖かい服で撮影をしていたのですがワンダーウーマンの衣装は肌を露出したあの鎧だけ。しかしガル・ガドットは「ワンダーウーマンは寒くない。私は彼女になりきる事に集中していたので問題無かった」とコメントしていますが本当に凄いですね。
アクション・演技力共にこれは文句なしだと私は思いました。
DCコミックが好きな人は間違いなく楽しめる!
今回は前評判などを一切見ないで観に行ったのですが、正直面白くないかも知れないと思っていました。それは個人的な意見として予告編で面白い部分を使い果たしているような雰囲気があったからです。
しかしいざ観てみると「戦士・ヒーロー」という意味ではしっかり出来ている。2時間20分というストーリーでダイアナが大人になり人間を学んでいくのは、とても面白いと思いました。
パンフレットにはダイアナ役のガル・ガドットのコメントや撮影秘話などが書かれています。まだワンダーウーマンを観る際に注目して欲しいポイントまで掲載されているので、是非買って読んでみてください。今年の11月には「ジャスティス・リーグ」があり2019年には「ワンダーウーマン2」が公開予定なので、DCコミックが好きな人は今後楽しめる作品が続々登場しますね。これで映画「ワンダーウーマン」の感想・レビューを終わりたいと思います。