あの感動作を映画化!
2015年に出版された時、そのタイトルに私も購入しましたがタイトルとのギャップで驚き、その内容はとても感動した小説「君の膵臓を食べたい」が映画化となりました。
作者である「住野よる」のデビュー作であり代表作でもあります。気になる内容は。
高校時代のクラスメイト・山内桜良の言葉をきっかけに教師となった“僕”は、教え子の栗山と話すうちに、桜良と過ごした数カ月間の思い出をよみがえらせていく。高校時代の“僕”は、膵臓の病を抱える桜良の秘密の闘病日記を見つけたことをきっかけに、桜良と一緒に過ごすようになる。そして桜良の死から12年後、彼女の親友だった恭子もまた、結婚を目前に控え、桜良と過ごした日々を思い出していた。(映画.com引用)
山内桜良役を浜辺美波、「僕」役を北村匠海、現在の「僕」を小栗旬、恭子(学生時代)を大友花恋、一晴役を山本悠馬、隆弘役を桜田通、栗山役を森下大地、一晴(大人)役を上地雄輔、恭子(大人)を北川景子。豪華キャストにより実写化になった今作は期待の作品となっています。では、早速感想とレビューを書いていきたいと思います。
期待通り今年の夏、泣ける映画はこれに決まりだと思った
やはり期待した通りの映画となっているのではないでしょうか。この作品のタイトルとなっている「君の膵臓を食べたい」というフレーズの意味を原作で知っていても、映画館でウルっときてしまった。
10代にとても人気のある作品となっている今作ですが難病をテーマにした作品というのは珍しいことはないと思います。例えば2004年に公開された「世界の中心で、愛をさけぶ」も10代にとても人気の作品となっています。
そういった意味では今作も泣けるという意味では一緒かも知れません。違うものと言えばユーモアがあり、そして不器用な「僕」という主人公ではないでしょうか。こういった主人公の性格や不器用さというのは現代に当てはまっているので、とてもおもしろいと思えます。
原作と違うポイント
原作と違うポイントは大人になった「僕」と恭子が登場しないという点です。この映画のラストで12年前の桜良から恭子への手紙を現在の「僕」が渡すシーンがあるのですが、このシーンは良かったと思う。
原作では大人の設定は無く、桜良が亡くなった後、恭子から指定のカフェに呼び出され僕は恭子に「共病文庫」を見せる事になる。病気の事を知らなかった恭子は「桜良があんたを好きで大切で必要だったとしても、あたしは許せない」と病気の事を隠していた僕に恭子は非難する。
桜良から「恭子と友達になってあげてほしい」と言われていた僕だったが、自分の意志で「僕と友達になってほしい」と伝えるが沈黙だけが流れ恭子はその場を後にした。
その1年後、恭子と僕は桜良の墓で仲良く想いを送り、桜良との思い出の場所に泊まりに行くほど仲良くなる。そして2人は揃って山内家を訪ねて話は終わる。
原作通りでも感動するシーンなのですが、あえて12年後を描いたのはこのような理由があるそうです。
2時間の映画に小説の魅力を凝縮するにはどうしたらいいのか。そこで大人の姿を用意する事によって回想録にすると高校時代を断片的に描け、同時に喪失を経た大人も描ける。桜良が彼らのその後の人生にどう影響していたのかも鮮明に描けるのではないかということで回想録の形をとりました(月川翔監督インタビューより引用)
2時間という映画の長さを考えると確かに難しいですからね。私個人としては、回想録を使ったことによって現在の僕が感じている悲しみなども表現出来ていて良かったと想いました。
撮影のロケ地は滋賀県がとても多い
今回の君の膵臓を食べたい。のロケ地では滋賀県が多く撮影されています。まず学校ですが「けいおん」の舞台にもなった滋賀県豊郷小学校。
豊郷小学校は昭和12年に建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏の設計で建てられました。当時は「白亜の教育殿堂」「東洋一の小学校」と呼ばれ平成25年には国の登録有形文化財に選ばれるなど、今では滋賀県の観光名所になっています。
桜良が入院していた病院は私の考えだと彦根の成人病センターではないでしょうか。病院や病棟がよく似ているので確証ではありませんが、多分間違いないと思います。
その他にも「滋賀大学」「彦根市立西中学校」「カフェ ポム・ダムール」など数多くの場所が撮影地として使われていました。
きっと原作が好きな人でも泣ける作品となっている
原作とは少し違う事に対して不満を言っている人もいますが、私は原作は原作、映画には映画の良さがあるように感じます。1つ言える事はこの夏、映画館で泣きたいという人にはお勧めの映画だと言えます。
パンフレットは各キャストのインタビューや監督のコメント、渡辺美波×北村匠海の対談など「君の膵臓を食べたい」を更に楽しめる一冊となっています。このパンフレットも劇中で桜良が書いていた「共病文庫」のカバーになっているのが、こだわりを感じさせますね。原作ファンは勿論の事、原作を知らない人でも楽しめる作品となっているので、是非劇場に観に行ってみてくださいね。