「くるみ割り人形」を美女と野獣のスタッフが実写化
「くるみ割り人形」を知らない人はいないと思います。バレエに興味ない人でもタイトルは聞いたことがあるのではないでしょうか。
あまり日本では馴染みないくるみ割り人形ですがヨーロッパでは冬が近づいてくるとテーブルの上にくるみ割り人形を用意する伝統があります。秋に実る木の実は、ヨーロッパの厳しい冬を乗り越えるのに大切な食料でした。
人形の口にくるみをはさみ、後ろのレバーを押すとくるみが割れる仕組みとなっているのですが、ドイス兵の格好をしたくるみ割り人形は今もなおドイツの民芸品として人気があります。
さて、話を戻し「くるみ割り人形」をディズニーが実写化するという事で今作がどのようなストーリーなっているか書くと。
愛する母を亡くし心を閉ざした少女クララは、クリスマスイブの夜にくるみ割り人形に導かれ、誰も知らない秘密の王国に迷い込む。「花の国」「雪の国」「お菓子の国」「第4の国」という4つの王国からなるその世界でプリンセスと呼ばれ戸惑うクララだったが、やがて「第4の国」の反乱によって起きた戦いに巻き込まれていく。(映画.com引用)
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズは今年「プーと大人になった僕」や来年には「ダンボ」「アラジン」「ライオンキング」と実写化に積極的となっているので、今作がどのような作品となっているのか。早速ですが感想とレビューを書いていきたいと思います。
バレエの「くるみ割り人形のお話」
今作の「くるみ割り人形と秘密の王国」は原作の「くるみ割り人形」とは大きくストーリーが異なります。例えばバレエでは人形遣いのドロッセルマイヤーおじさんが、子どもたちにクリスマスプレゼントを渡すまでは同じなのですが、クララに不格好な「くるみ割り人形」を渡します。その人形に不思議な魅力を感じるクララでしたが、兄のフリッツが人形を貸してくれと喧嘩になり、人形が壊れてしまいます。
クララは包帯代わりに白いリボンを人形に巻き、夜遅くまで看病してあげるのですが時計が真夜中の12時になった時、クララの体が小さくなり人形サイズになってしまいます。
そしてねずみの王様が率いる軍隊とおもちゃの兵隊が現れ戦い始めるのですが、おもちゃの兵隊のリーダーは白いリボンを付けており、クララが看病した人形でした。クララの助けもあって、おもちゃの兵隊が勝利をし、くるみ割り人形が王子様へと変身するのです。
王子様はクララをお菓子の国へと誘う事にします。お菓子の国に着くとお菓子の国の女王が2人を歓迎し各国のお菓子の踊りを披露してくれます。
絵本ではバレエで語られなかったストーリーが描かれているのですが、少しミステリアス風になっていますね。「ねずみの王様がなぜ人形と戦っているのか」や「ドロッセルマイヤーおじさんの正体」などがあり、最後はハッピーエンドとなります。
今作の「くるみ割り人形と秘密の王国」のストーリーは?
ドロッセルマイヤーおじさんが子どもたちにプレゼントを配るまでは同じなのですが、クララが少々複雑な事情があります。それは好きだった母が亡くなった最初のクリスマスイブで寂しい思いをしていました。父は「クリスマスイブになったら渡すようにと言われた」と言い弟には兵隊人形を。姉には母の服を。そしてクララには金色の卵型の入れ物があり六角星の鍵穴が付いており、鍵は入っていません。
一緒に入っていた手紙には「この卵の中にすべてが入っている」と書かれており、何とかして開けたいクララは卵を調べると「D」の文字が。クリスマスイブはドロッセルおじさんの家に行く事が恒例だったシュタールバウム家。この「D」の文字は「ドロッセルマイヤーおじさん」の事だと気づきクララも行くことを決めます。
しかし乗り気ではないクララですが「贈り物探し」が始まり、ドロッセルマイヤーおじさんのプレゼントである紐を辿っていくと辿り着いたのは雪景色がキレイな森に辿り着いたのです。そこからクララの冒険と「お母さんがなぜ卵を送ったのか」。そして「ドロッセルマイヤーおじさんがなぜ自分をその森へと案内したのか」。すべてが描かれていきます。
ディズニーらしい大人から子供まで楽しめるストーリー
バレエの作品である「くるみ割り人形」と絵本である「くるみ割り人形とねずみの王様」のストーリーを合わせつつ、解りやすいストーリーになっています。私が今作の事を良い作品だと思ったのはバレエのシーンがしっかり入っている事。
クララの為に各国が出来上がったストーリーをバレエで表現するシーンがあるのですが、それが何とも美しい。ディズニーらしい色とりどりのシーンも魅力的ですがバレエのシーンを観ると子供だけではなく、大人向けの作品でもあると思った瞬間でした。
子供と一緒に観ながら「クララが見つけた本当に大切なもの」を理解する
総合評価を見ると一般レビューを低めですが私個人としては良い作品だったと思います。ディズニーらしい難しいストーリーではないですが、大人目線で見ると「クララが冒険をし、何が大切なのか。それを理解する」というのが一番のポイントだと思いました。子供目線、大人目線では感想が変わる作品なのもディズニーらしいですね。
パンフレットは各俳優陣のコメント、プロダクションデザイナーや衣装デザイナーのコメントも掲載されています。特にプロダクションデザイナーと衣装デザイナーのコメントは面白かったですね。今作の雰囲気を出している重要な役割なので、意識したポイントなどが掲載されていておすすめです。
結論を書くと「美女と野獣」「プーと大人になった僕」とは違い難しく考えないで楽に見れる作品であり解りやすい映画だった。という事でしょうか。「母がクララに伝えたかった本当に大切なもの」を理解出来るとこの作品はきっといい作品になると思います。
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