GT40という偉大な車を制作した男たちの1人のレーサーの物語
フォードとフェラーリという名前は車に興味がない人でも一度は聞いたことがある車メーカーですがフェラーリはイラリア、フォードはアメリカの会社となっています。1960年代にフォードはル・マン24時間耐久レースで王者の名前を手にしていたフェラーリを買収しようとしていましたが、それが失敗に終わります。
そこで当時のフォード会長は2世という事もあり経営に悩んでいましたが、役員からの後押しもありフォードを「レースでも戦える会社」だとアピールする為にル・マンへの参加を決意します。今作はそんなフォードが王者であったフェラーリに対して「絶対に勝つ」というストーリーなのですが、正直色々突っ込みたい部分もありました。
今回はそんな「フォードvsフェラーリ」の感想について書いていきたいと思います。
ケン・マインズに焦点を当てた”レーサー視点”の物語
フォードはル・マンに勝てるようにイギリスのエンジニアであるエリック・ブロードレイを雇う事にします。このエリックという人物はローラ・カーズの創業者でありレーシンガーのデザイナーとして大きく貢献した人物です。そんなエリックは信用出来るレーサーがいると連れてきたのがケン・マイルズでした。
ケン・マイルズという人物は簡単に書けば褒められた人物ではない。喧嘩早く、誰であろうと態度を改めない。そんな人物をフォードは許しはしないのですが、フォード側が用意したレーサーがマシンの癖を把握しておらず敗退。改めてケン・マイルズがレーサーとして当時開発していたフォードGT40に乗る事となります。
この映画ではフォードがフェラーリを倒すためGT40を開発し、その車がいかに早い車だったのか。そんな事をざっくりと紹介した映画だと認識していれば良いと思います。ケン・マイルズとエリック・ブロードレイのやり取りと言いますか。お互い決して合う性格では無いですがお互い信用している仲だということ。当初は反発するケン・マイルズですが後々にエリック・ブロードウェイの気持ちを尊重するようになっていきます。
そんな男たちが集まりGT40という車でフェラーリと戦ったというストーリーは結末が解っている実話ながらも感動するものがありました。
エンジニア視点では無いのでその点が注意!
ル・マン24時間耐久レースに必要なのは強靭な集中力と忍耐力。そして絶対に勝つという意識ですがもう一つ何よりも重要なのは車体をもたせるエンジニアの視点です。フォードが勝つことが出来たのはGT40の素晴らしさが一番です。
今作の舞台となった1960年半ばのレース以後もフォードが4年連続ル・マンを制覇しています。それもフォードGT40の性能がどのメーカーよりも優れていたことが解りますが、その点についてもう少し詳しく描写してくれたら、もっとラストに感動があったと思います。米国企業でル・マンを制覇したフォード、現在もその事実は変わることなくフォードだけが制覇しています。
その背景にあるのはレーサーは勿論、エンジニアによる技術が大きいので「フォードGT40は早いぞ!」という描写だけなのは少し残念でした。
2020年最初の映画は感動の実話!今作のラストは決して調べないように!
総合的に見て今作の「フォードvsフェラーリ」は面白いですね。車好きなので、どうしても詳しく見てしまいますが映画としては文句なしです。この映画の結末を知りたい方は調べる前に視聴してみて下さい。勝敗はある程度想像出来ると思いますが、各々の人物がその後どうなったか。
今作を見て是非確認して欲しいと思います。2020年も映画を沢山見ると思いますが、またコメント・ブックマークの方を宜しくお願いします!