列車内で起こる連続サスペンス!
「アンノウン」「フライト・ゲーム」などを手がけたジャウム・コレット=セラ監督とリーアム・ニーソンがタッグ。今作で4作品目となるタッグ作品ですが、今作の「トレインミッション」は「リアルタイムサスペンス」となります。同じく同週に公開された「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」だけ観るつもりだったのですが予告編を観た際に気になったので、観てきました。さて、気になるストーリーですが。
10年間勤めてきた会社から突然、解雇を宣告された60歳の保険セールスマンのマイケルは、失意の中、いつもの電車で帰路につくが、車内で見知らぬ女性から話しかけられる。女性は、電車が終点に到着するまでの間に、100人の乗客から1人のある人物を見つけ出せば、マイケルに多額の報酬を払うという。妻が人質に取られていることが発覚し、女性からの依頼を受けざるを得なくなったマイケルは、絶体絶命の状況下で1人の人物を見つけ出そうとするが……。(映画.com引用)
今作の主人公を演じるリーアム・ニーソンはスター・ウォーズエピソード1・2で登場したクワイ=ガン・ジンやバットマンビギンズのヘンリー・デュカードなど私個人的に好きなキャラクターが多いので楽しく観てきました。では、早速ですが感想とレビューを書いていきたいと思います。
解雇された日、女性が目の前に座ったことから始まる
10年間、真面目に働いていたマイケルは突然上司から「解雇通知」を受け取り絶望してしまいます。家には私立大学の入学が決まっている息子がおり、入学費用や寮などの費用、そして家のローンなどが残っており、解雇された事に対しどのように家族に伝えるか悩みながら電車に乗る事となります。
いつもの帰りの電車で違ったのは自分の前に見知らぬ女性が知り合ったことからマイケルの運命が大きく変わっていく事となるとは誰も予想出来ませんでした。
女性が1つゲームをしましょうと提案するのですが、その提案が「ある人物を探してほしい。その人の名前は通称”プリン”という人物。その人のカバンにGPSを付けてほしい。2号車のトイレに2万5000ドル。そして成功報酬に7万5000ドル。合計10万ドル支払う」という女性の言葉を半信半疑に聞きながら2号車に行くと本当にお金が置いてあり、簡単なゲームだと思っているところに「警告」と言い妻の指輪を渡され事の重大さを理解する事となります。
一見在り来たりな「列車サスペンス」だと思いきや、しっかりと作り込まれたストーリーはかなり優秀だと感じます。「リアルタイム列車サスペンス」というフレーズが最後までピッタリ合う作品になっているのは正直驚きました。
”なぜ”ストーリーが優秀だと思ったのか
今作のストーリーがなぜ優秀か。それは「リズムの良さ」だと私は思います。トレインミッションを観終わった後だからこそ断言出来るのは「一切無駄なシーンが無かった」という事です。サスペンス映画でよくあるのは視聴している人に犯人が簡単にバレないようにフェイクの情報を与える事があるのですが、今作は「謎→解決→謎→解決」と非常にテンポが良い。
そして”プリン”の正体は「常連客ではない」という設定。これも面白いと思った。マイケルは同じ電車に10年間乗っている。10年間毎日乗っているマイケルにとって電車に乗っている人は顔馴染みの人物も多くなってくる。
そういった中で正体が絞られていくのはまさに”リアルタイム”と呼べるストーリー構成だと思います。
完璧では無い主人公に共感出来る場面が多数存在
保険会社を解雇される前は元警察感という経歴を持つマイケル。こういった設定の主人公は警察を退職した後でも筋トレを続けていて、元保険会社社員ながらも”強い”という設定がお約束なのですが、今作は違う。
主人公のマイケルは保険会社に努めた事によって間違いなく警察官としての運動能力や洞察力というのは衰えている。それはブランクからか、もしくは歳なのか。どちらか解りませんが”完璧ではない主人公”というのは共感出来る場面が多い。
ただ戦っていくにつれて、マイケルの動きが変わったり、ストーリーが進むにつれて洞察力も良くなってくる。そういった変化にも注目して頂きたいと感じました。
最後まで目が離せないサスペンス映画!
予告編を観た限り正直な事を書くと”B級映画”のような雰囲気が出ていたので、少し不安になりながら観たのですが、全くそんな事は無かった。
同週に公開された「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」と同じように「あの映画は面白かった」とオススメ出来るレベルだったのは観て正解だったと思う。
パンフレットでは各出演陣、監督のコメントは勿論ですが「プロダクションノート」が非常に面白いと思いました。監督がこだわったシーンなども書かれているので、是非映画を観た帰りにでもパンフレットを購入してくださいね。
これにて映画「トレインミッション」の感想とレビューを終わりたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。