大人気コミック「坂道のアポロ」を実写化
2012年にテレビアニメ化にもなった「坂道のアポロン」が2018年3月に実写映画として公開されました。監督は「僕等がいた」「ホットロード」「青空エール」などの漫画を実写化してきた三木孝浩。西見薫役に知念侑李、川渕千太郎役を中川大志、迎律子役を小松菜奈となっています。さて、気になるストーリーですが。
医師として忙しい毎日を送る西見薫のデスクに飾られた1枚の写真。そこには笑顔の3人の高校生が写っていた。10年前の夏、薫は転校先の高校で誰もが恐れる不良である川渕千太郎と運命的な出会いを果たす。ジャズのドラムを叩く千太郎と、幼いころからピアノを弾いていた薫は音楽でつながり、千太郎の幼なじみの迎律子を交えた3人で過ごす日々の中、薫は律子に恋心を抱くようになっていた。しかし、律子が恋焦がれるのは千太郎であることを薫は知ってしまう。三角関係に思い悩みながらも、千太郎とのセッションを楽しむ薫だったが、そんなある日、千太郎が薫と律子の前から突然姿を消してしまう。(映画.com引用)
私も原作コミック、アニメを観てきた一人のファンなので今作が実写化されると聞いたときは正直不安でしたが、どこまで再現されているのか気になり映画館に行ってきました。早速ですが、感想とレビューを書いていきたいと思います。
世界観づくりのこだわりに驚いた
私はアニメ化されたときに今作を知り、その後原作を読み更にファンになったのですが、今作でもその雰囲気を再現出来ているのは正直驚きました。
坂道のアポロンは約60年前の長崎を舞台にしているのですが、その雰囲気を出すのは相当難しい。もし仮に現代風にアレンジされた坂道のアポロンであればファンは絶対に納得しなかったでしょう。私が「驚いた」と書いたのは原作の世界観を壊さず作られた約60年前の長崎は間違いなく、坂道のアポロンの世界観そのままだと言えます。
学校やジャズバー、海水浴場、教会など長崎で撮影されていますが商店街は大分県、西見家は福岡県で撮影されています。どの場所も九州で撮影されているのですが監督のこだわりで「その年でしか切り取れない風景や空気がある」とのこと。
そういったこだわりが今作を成功へと導いた一つの理由だと思います。
大人だからこそ観てほしい青春物語
原作を知らない人でも今作は必ず楽しめる作品だと思います。
大人になっても「友情」というのはありますが、学生時代の友情は学生時代でしか味わうことが出来ない。それは決して「若さ」という一言で表すだけではなく「苦さ」もあります。そういった青春時代に感じた友情を思い出させてくれる作品ではないでしょうか。
恋愛もあり、友情もあり。現在学生生活を送っている人にも楽しめる作品だと思いますが、今作は是非大人に観てほしい作品です。「あの頃の懐かしさ、切なさ。そして友情の大切さ」を思い出させてくれます。
文化祭のシーンは実写映画になっても鳥肌が立った
坂道のアポロは「ジャズ」がなくてはならない。そしてこの作品の重要なシーンである文化祭は何度でも見たいと思いました。
千太郎と薫の友情が更に深まるシーンなだけに、このシーンの雰囲気作りは一番難しかったのではないでしょうか。少しでも観ている人が違和感を感じてしまえば、今作は決して良い作品ではなくなってしまう。そんなシーンなだけに1つ1つ丁寧に作られているシーンだと観ていて感じることが出来ました。
JAZZのセッションが魅力的!是非観てほしい作品!
「My Favorite Things」「Someday My Prince Will Come」「But Not For Me」「Moanin」など一度は聞いたことがある名曲が劇場で使用されています。ストーリーももちろん良いのですが、やはりJAZZセッションのシーンは必見。
文化祭だけではなく米兵たちが集うバーのシーン。ムカエレコードの地下で演奏したシーン。どのシーンの演奏も観ていて楽しい気持ちになるので音響の良い映画館で是非観てほしいですね。
パンフレットでは各出演陣のコメントが掲載されているのですが、かなりのボリュームがあります。出演陣のファンであれば、その内容は必見です。
また坂道のアポロンの撮影スポットや美術さんのこだわりが掲載されているので、そちらも是非読んでみてくださいね。
これにて映画「坂道のアポロン」を観てきた感想とレビューを終わりたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました
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