トム・クルーズ主演映画「バリー・シール アメリカをはめた男」
CIAや麻薬王を手玉にとりホワイトハウスに雇われた天才的人物「バリー・シール」の伝記映画となっています。私もこの映画を知るまで「バリー・シール」という人物を知りませんでしたが、映画を観る前に下調べをして観てきました。
まさに天才的とも言える人物の生涯は波乱万丈。それが映像化になるというのは気になります。
敏腕パイロットとして民間航空会社に勤務するバリー・シールのもとに、ある日CIAのエージェントがやってくる。CIAのスカウトを受けたバリーは、偵察機のパイロットとしてCIAの極秘作戦に参加。作戦の過程で伝説的な麻薬王パブロ・エスコバルらと接触し、バリーは麻薬の運び屋としても天才的な才能を開花させる。エージェントとしてホワイトハウスやCIAの命令に従いながら、同時に違法な麻薬密輸ビジネスで数十億円の荒稼ぎをする破天荒な動きをするバリー。そんな彼にとんでもない危険が迫っていた……。(映画.com引用)
では、早速映画の感想とレビューを書いていきたいと思います。
「バリー・シール」という人物について
バリー・シールはまさに「天才的パイロット」として腕を認められていました。15歳で学生パイロット証明書を取得し、プライベートパイロット証明書を16歳に取得しています。
ルイジアナ軍防衛隊に6年間入隊し第20特別部隊に就任しています。しかし米国陸軍航空学校を卒業しましたが米国軍特殊部隊の訓練は完了していません。
1964年に飛行機技術者としてTWA(トランスフォーム航空)に加わりパイロットになります。しかし1972年にメキシコにプラスチック爆弾を密輸する陰謀に関与した疑いで逮捕され、1974年に「検察の不正行為」の為不起訴となっています。その間にTWAはシールを解雇してしまいました。
1976年にマリファナの密輸を始めたシール。一度は1980年に投獄されますが、逮捕はされず米国に帰国したときにパイロットを雇い1回のフライトで50万ドルを稼ぐなど、荒稼ぎしていたと言われています。
シールは麻薬密輸活動で逮捕され懲役10年という判決を受けますがDEA(米国麻薬取締局)に接近し情報提供者として政府と協力するように提案し連邦当局は彼を情報提供者として使用する事にします。この時にシールは麻薬密売人が飛行機に積荷(麻薬)を運ぶ瞬間などを撮影しています。
その後シールは1986年に暗殺され生涯を閉じるのですが、その後シールの死から1ヶ月後。当時大統領であったレーガン大統領がシールが撮影した写真をテレビで公開しコントラス議会の指示を強化しようとしました。
決して完璧で終わらない今回の役を演じたトム・クルーズ
ミッションインポッシブルや最近だと「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」などを演じたトム・クルーズ。
トム・クルーズの役を考えると他の作品ではヒーローであったり、逆境をチャンスに変えるようなキャラクターを演じる事が多いのですが今作のバリー・シールという役は天才ではあるが完璧ではないという点。
例えば映画内でのシールはCIA 麻薬王、ホワイトハウスに雇われ大金を手にしますが、その大金によって自分を苦しめてしまう場面もあります。1回のフライトで数億円という大金を手にしますが、それは決してキレイなお金ではない。
バレない為に、銀行に預け、会社を設立しキレイなお金へと変える場面があるのですが田舎だった町が急激に成長すれば誰でも怪しむのは当然の事。今回シールが失敗した原因の多くは「お金」に関係する失敗が多かったですね。
今回のポイントの1つでもある”飛行機”
トム・クルーズ映画といえば、やはりアクションやスタントだと思うのですが今回は”飛行機”についてお話したいと思います。
密売方法としてシールは飛行機を利用していたのですが監督であるダグ・リーマンとトム・クルーズは映画で使用する機体に情熱を抱いていたといいます。今回使用した機体はエアロスター600(6人乗り)とセスナ414を操縦しています。
シールがコロンビアに飛んでいるシーンがありますが実際にトム・クルーズが10時間以上かけて操縦したといいます。その操縦技術の高さは驚きますね。
またシールが低空飛行で操縦していたと聞かされると「自分も低空飛行を操縦する」と低空飛行を操縦するシーンもトム・クルーズ本人が操作したそうです。今回の映画の見どころは”飛行機”と”操作”と言えますね。
波乱万丈の人生!これが実話だと思うと更に面白い!
今回映画を観た感想としては改めて伝記映画だと考えるとシールは波乱万丈の人生だったと思います。TWAのパイロットだった男がCIA、FBI、DEA、ATF、ホワイトハウスと関与するとは誰が思うのだろうか。
115分と2時間満たない作品ですが「痛快アクション」として非常に楽しめた作品だと思います。決してハッピーエンドという訳ではありませんがバリー・シールがどのような思いで過ごしていたか。映画を観ながら考えると面白いかもしれません。
パンフレットではダグ・リーマンとトム・クルーズの映画のこだわったポイントや各出演者のインタビューまで今作を楽しめる内容になっていると思います。今作の時代背景には何があったのか「19 Keywords on Barry Seal」を見れば一目瞭然だと思います。
これにて映画「バリー・シール アメリカをはめた男」の感想とレビューを終わりたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。(次回はアトミック・ブロンド)
(先週はFate・猿の惑星を観ましたのでこちらも宜しくお願いします)