近畿地方から送るゆる~いブログ

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近畿地方、主に滋賀県からお送りする雑記ブログです。映画や読書、滋賀県の素敵な観光地からお食事まで様々な事をご紹介したいと思います。

【映画・ネタバレ】自分に向けたメッセージになるかも知れない「終わった人」を観てきた感想とレビュー!

様々な「終わった人」に向けたメッセージ

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「エイジハラスメント」「クリスマスイブ(1990年)」などを手がけた内館牧子の小説「終わった人」を舘ひろし黒木瞳広末涼子臼田あさ美今井翼など豪華キャストで映画化されました。監督は「リング」「薄暗い水の底から」「インシテミル7日間のデス・ゲーム」の中田秀夫監督によるハートフルコメディ。さて、気になるストーリーですが。

 

大手銀行の出世コースから子会社に出向し、そのまま定年を迎えた田代壮介。世間からは「終わった人」と思われ、仕事一筋の人生を歩んできた壮介は途方に暮れる。美容師の妻・千草は、かつての輝きを失った夫と向き合えずにいた。壮介は「どんな仕事でもいいから働きたい」と再就職先を探すが、これといった特技もない定年後の男に職など簡単に見つかるはずがなく、妻や娘から「恋でもしたら」などとけしかけられたところで、気になる女性がいてもそう思い通りになるものでもない。しかし、すでに止まってしまったかに思えた壮介の運命が、ある人物との出会いから大きく動き出す。(映画.com引用) 

 

ハートフルコメディながらも内容はネガティブ要素が多いのですが、予告編などを観ていると非常に面白そうで少し遅れましたが、観てきました。誰もが訪れる定年退職。舘ひろし演じる壮介の姿に「共感」と思う事が多いそうです。では、早速ですが感想とレビューを書いていきたいと思います。

 

サラリーマンの誰もが迎える定年退職

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「終わった人」という一見ネガティブなタイトルですが、定年退職を迎えた壮介は定年退職を「生前葬みたいだな」と語っています。壮介は63歳で定年退職を迎えていますが最近だと65歳が平均のようです。

 

一流企業であるメガバンクに入り、しかも東大卒というエリートだった壮介ですが重役になるのを同期に取られてしまい出向先の子会社で定年を迎える事となります。それでもエリートには違いないのですが壮介にとって「エリートから外れた人」という気持ちがずっと付きまとう事となります。

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定年退職後も働きたいか。というソニー生命保険が行ったアンケートでは「3人に1人が定年後も働きたい」と答えています。それは作中でも登場するのですが仕事一本で生きてきた男が、いざ働かなくなると「何をして良いか解らない」と悩むシーンがあります。

 

壮介も同様に悩むシーンが登場するのですがジムに行って運動したり、スクールに通ったり、顧問を引き受けたり。様々な事にチャレンジするのですが、壮介に待ち受けるのは「試練」でした。

 

仕事一本で頑張ってきた男の「頑固さ」

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顧問を引き受けた後、ある事情で直人(今井翼)の会社を引き継ぐ事になった壮介を待っていたのは良い結果とは言えないものでした。そんな壮介ですが作品を見ていると「俺は定年を迎えたがまだ頑張れる」という意欲はあるのですが、その意欲は「若い頃と同じ」であり「年相応のもの」では無いように感じ取れます。

 

若い頃であれば失敗してもやり直す時間がありますが壮介は定年退職後の人。やり直すよりも”今”という時間をゆっくりと過ごした方が良い人物なのですが壮介の持っている「頑固さ」というのでしょうか。

 

良く言えば「純粋で努力家」なのですが、今まで自分の事は自分で決めてきた壮介。家族の反対を押しのけて行った行動は結果として悪い方向へと進んでいく事となります。

 

黒木瞳演じる千草が少し冷たいと思ったが、作品を通して観ると違った

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定年退職後の壮介を見てイライラするシーンが多々見られた千草。一緒に桜を観に行く際にも良寛の絶世の句と知られる「散る桜 残る桜も 散る桜」と言い不機嫌になって帰ってしまうシーンがある。

 

この意味は生まれたからには、必ず死ぬ。という意味があり人は生まれた時から寿命という余命があり生きている事を忘れてはいけない。と千草に語るのですが、定年退職後の壮介が日に日に暗くなっていく姿に嫌気が指していたのだ。

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他のレビューを見てみると「冷たすぎる」というコメントが多かったですが、定年退職を機に暗い表情を見ている壮介を見ているのは嫌だったのには違いないです。顧問として雇われた際、壮介と千草が駅の階段で偶然出会うシーンがあるのですが「スーツが生き生きしている」というセリフは壮介が仕事一本で、そんな姿が好きなんだなと解るシーンなのですが、しかし壮介が暗い表情をしている際に「暗い表情しないで」と怒るシーンがあります。二人が決定的に足りなかったのは「会話」ではないでしょうか。

 

壮介が顧問から社長になった際。そして千草が独立しようと思っている際にも、二人がもっとお互いに会話をしていれば違った結末が待っていたかも知れませんね

 

夫婦、そしてサラリーマンの人に観てほしい作品

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定年退職を迎えた人は勿論ですが、サラリーマンの人。そして夫婦で。この作品は観てほしいですね。「定年退職まで、まだまだ時間はある!」と思っている人でも、今作を観た後では「共感」出来るシーンが多々あると思います。壮介はエリートサラリーマンという立場ですが、人の人生というのは違いはあまり無いという事がよく解りますね。

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パンフレットでは各出演陣のコメント、そして今作は岩手県盛岡市で撮影されており、作中で登場した桜並木は高松公園、高松の池で撮影されています。盛岡でも有名な桜スポットで約800本もの桜が楽しめる絶景ポイントとなっているそうです。

 

また撮影秘話なども掲載されているので、劇場に行った際には是非購入してみてください。これにて映画「終わった人」の感想とレビューを終わりたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

終わった人 (講談社文庫)

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