痴漢問題について深く考えている人は少ない
最近また「痴漢問題」が話題になってきていますが私が「痴漢」と聞いて思い出すのは「それでもボクはやっていない」という映画。
この映画のストーリーを知ってる人も多いと思いますが。
フリーターの金子徹平(加瀬亮)は、通勤ラッシュの電車で女子中学生から「痴漢したでしょ」と訴えられてしまう。まったく身に覚えのない金子は、話せば分かってもらえると思い、大人しく駅の事務室に行った。しかし、「ボクはやってない!」という訴えもむなしく、そのまま警察に連行されてしまう。その日から、留置所暮らしを余儀なくされた金子の無実を訴える戦いが始まった。( Yahoo!Japan映画参照)
当時話題となった映画ですがもう一つ違う意味で話題となりました。それはこの作品のモデルとなった人が映画公開から2週間後「有罪判決」になってしまったということ。この作品の監督である周防正行監督は「私の映画が裁判官の心証に影響したかもしれない。」と詫びたことは有名な話です。
そもそも痴漢というのはどういった罪なのか?皆さん知っていますか?痴漢とは。
痴漢とは電車内で行われることが多いが暗い夜道などにも行われることがある。 罪は地方自治体ごとの迷惑防止条例と刑法第176条強制わいせつ罪が適用されます。この強制わいせつ罪は6ヶ月以上7年以下の懲役となります。
痴漢となると強制わいせつ罪が適用されるのですがその他にも痴漢行為の種類にもよりますが公然わいせつ罪、威力業務妨害、暴行罪など追加されていきます。今回の私の記事は「冤罪」がメインテーマになって勧めていくので不快になる点もあるかも知れませんが、ご了承ください。
90%以上が有罪になる痴漢問題でも冤罪なら堂々と主張すべき
痴漢に間違われたら逃げろ。というネット知識が出回っていますが、逃げたらアウトだと思っていいです。「逃げる=私が犯人」ですと言っているようなもので、どこに逃げようとも今の世の中はどこにでも監視カメラが設置してある。しかも痴漢に間違われ、仮に逃げたとしてその駅は二度と利用出来ないでしょう。そんな生活貴方は耐えることが出来るでしょうか?私なら無理です。痴漢冤罪に巻き込まれた時には女性より先に「名誉毀損で警察を呼ぶ」と断言すること。それは女性だけではなく駅員に聞こえるように言うのが大事です。「名誉毀損なので弁護士を使って訴えます」ということも伝えた方がいいでしょう。ここで疑問に思う人がいるかも知れません。
自ら警察を呼んだことによって自分の首をしめることになるのでは?
そんな人の為に警察を呼ぶ時にこう告げます「私は今、痴漢の疑惑をかけられています。私は今痴漢疑惑をかけられた後、相手女性と駅員さんと一緒にいます。繊維検査を行って欲しいので今すぐ来て欲しい」ここまで言えれば完璧です。もし痴漢したのであれば相手の服の繊維や体液などが付着している可能性がありますから、相手女性、駅員さん、警察と話す前に検査を行ってもらうことが重要です。この検査結果は裁判では証拠になるので強みになります。後は弁護士を呼ぶまで何も話さないことも重要ですね。
こんな事で痴漢と思うのか!?と思ったテレビの出来事。
先日のテレビのこと。「男性が気にしている痴漢に疑われそうな行為」で「下においてある鞄を持ち上げる行為」が「アウトかセーフか」という判断を放送していましたが「持ち上げ方はやらしい」という理由でアウトが4人いたことに驚きました。今では電車通勤・通学をしていませんが学生時代は電車通学だったので、この放送に「どうすればいいんだ」という疑問を抱いたので今回の記事を書いています。私が大学生の時代には「痴漢」に対して敏感だった為、吊革を両手で持ったり、女性とは背中合わせで立つようにしたりと気をつけて乗っていましたが鞄はどうしたら良いのでしょうか。
サラリーマンであれば鞄を持っている人が多い中、あの満員電車の密着率ですよ。それで「鞄を使って痴漢をされた」と言われたのであれば世の男性は電車に乗れないではないか。そんなことを思ったのです。
上記で「堂々と主張すべき」と書きましたがカバンの場合はどうなのだろうか。主張してもカバンから繊維が見つかれば、その時点でアウトである。まさに「この人痴漢です」の一言で男の人生が終わってしまうのです。
様々な判例から見る冤罪
西武池袋線痴漢冤罪事件では膠原病で指が曲がらない男性が逮捕され起訴された事件です。この事件の注目スべきポイントは「犯行可能性を否定する医師の証言や違う服を着ていたという犯人像、矛盾する目撃証言」がありながらも女性が「あの人です」という一言で有罪が確定したこと。しかも初犯ながらも1年10ヶ月という実刑は比較的重いとされています。この重くなった理由として「私はやってない」という証言が「反省していない」とみなされた為。おかしな話ですよね。
また名倉防衛医大教授痴漢冤罪事件では痴漢冤罪事件では初となる逆転判決が言い渡された事件です。バスの中で被害者の下着に手を入れ下半身を触ったとして強制わいせつ罪で逮捕された事件ですが最高裁で無実になった理由として「指から下着の繊維が検出されたなどの証拠がなく、証拠は女性の証言のみ。被害者は痴漢にあってから一度降りたにも関わらず再び同じ車両に乗り被告の隣に立ったこと、また車内で積極的に避けようとしていないことから痴漢の供述に疑いがある」と判決を出しました。
三鷹バス痴漢事件ではバスの車内で女子高生のお尻を触ったとして罰金40万円の判決を言い渡した事件もあった。これは男性は片手にスマホ、片手に吊革を持っているにも関わらず女子高生が「この人痴漢です」と言ったものです。片手で吊革、片手でスマホを持ちながら痴漢が出来るのかという立証を行ったにも関わらず「バスの車内の立ち位置や映像と加害者供述の食い違いは大したことはない」「勘違いがあるのは仕方ない」「3秒ほど左手の状況が不明だ」という理由などから有罪判決を下した。
判例から見る冤罪の共通点
上記3つの共通点として「この人痴漢だ」という一言がすべての証拠になっていること。しかも上記は2009年や2011年の話で最近です。まだ日本の現状として「女性の証言」の強さというのはかなり強い。実際に痴漢に合われて苦しめられている女性も多いですが示談金目当てで痴漢冤罪を繰り返していた女性が事件になってニュースに取り上げられたのも記憶に新しい。「弱き女性を守るのは当然」と思うのだが「この人痴漢です」と冤罪をかけられた男性は何よりも弱い事を知って欲しい。
明日には自分が冤罪をかけられるかも知れない
誤解が生まれているかも知れませんが痴漢をするヤツはクズだとは思ってます。よく男性で「痴漢をされているのであれば叫べば良い」という人はいますが痴漢で触られている最中で叫べる女性というのはいませんよ。仮に男が電車で痴漢にあったとしてチャックを降ろされ下半身出した状態で「この女性痴漢です!」と叫べますか?という話です。今回は「冤罪」をテーマにして書きましたが、もし明日自分が「この人痴漢です」と言われた時、言われない為にも予防策は知っておいて損はないです。