デビュー10周年 初のエッセイ集が面白い
「好きなものは山と猫と珈琲」という湊かなえさん。その好きなものを合わせたタイトルが今回の「山猫珈琲」。今回は初のエッセイ集という事で新聞に記載されたエッセイをまとめたものになります。湊かなえさんは告白でデビューし最新作はポインズンドーター・ホーリーマザーと数多くの小説を発売されています。
そんな私は彼女の小説のファン・・・なのでしょうか。なんと言いますか「癖になる文章力」と言いますかとにかく面白い。そういった意味ではファンなのかも知れませんね。湊かなえさんはメディアでも多く出られる方で録画して観たりするのですが、作品とは違ってトークを見ると本当に「ほんわか」している人なんだなという印象があります。今回のエッセイ集を読んでまた違う一面が見れるのかな?という気持ちで買ってみました。
感想:「ほんわか」して、とにかく面白い
エッセイ集という事で湊かなえさんの普段の出来事や作品に対する思いなどが書かれていたのですが、どれも面白かった。私生活では淡路島の生活の部分が多いですが、淡路島には数回行ったことがあるので「あ~あの場所かな?」という連想出来る場面もいくつか登場していたので、読んでいてイメージがしやすかった。
エッセイ集を読んで私が面白かったのは「記念日の話」と「ハロウィンの話」です。メディアなどで見る湊かなえさんとは違う一面が見れるエッセイだったと思いますね。この二つは個人的にお気に入りとなりました。また作品に対する思いなのですが「わたしと「告白」」ではこんな事を書いてあります。
2009年、本屋大賞の授賞式でこんなことを言いました。
「5年後の目標は、5年後の代表作を「告白」にしないことです」
2010年、映画「告白」の舞台挨拶でこんなことを言いました。
「反響が広がるほど、それを受け止めきれず、この作品を書いてしまってよかったのだろうか、書いたことをなかったことにしたい、と思うこともありましたが、映画を観て、やはり書いてよかった、と思うことができました」
告白という作品が大きくなるにつれて、それ以後出した作品が評価されていないように感じていたとエッセイでは書いてあります。もし自分の小説が同じようにデビュー作ばかり話題になり、それ以後の作品が話題にならないと「成長していないのだろうか?」と不安になるでしょう。こういった作品に対する気持ちなども書いてあったのは個人的に良かったです。
まとめ
初のエッセイ集という事で下巻は2017年1月下旬発売という事です。私は必ず買いますね。私が湊かなえさんが好きというのもありますが「小説家」らしい悩みも数多く書いてあったので湊かなえさんの作品を読んだことがない人でも、きっと楽しめる事だと思います。また来年デビュー10周年という事で47都道府県サイン会ツアーが2017年1月からスタートするそうです。
すでに開催日が決定している場所もあるので行きたい人は早めにチェックした方が良さそうですね。私も行けたら是非行ってみたい(笑)
今回は湊かなえさんの「山猫珈琲 上巻」をご紹介しました。