ゴジラ キング・オブ・モンスターズの前説
前作の「GODZILLA ゴジラ」から5年後。2019年を舞台にした作品が今回の「キング・オブ・モンスターズ」となります。前作のキャッチコピーというのは「世界が終わる、ゴジラが目覚める」というフレーズ通り、ゴジラがムートーを倒す為に長い眠りから目を覚まし戦うというストーリーとなっています。
米国版ゴジラは「モナーク」という秘密組織がゴジラを研究しており、そこの生物科学者の芹沢猪四郎を渡辺謙が演じています。2014年に公開されたゴジラでも「怪獣”王”」という言葉が使われていますが、今回もそのフレーズは沢山聞く事となります。
主演はファースト・マンなどに出演しているカイル・チャンドラー。マイレージ、マイライフや死霊館のヴェラ・ファーミガ。今回が映画初主演となるミリー・ボビー・ブラウン。前作にも登場した渡辺謙、サリー・ホーキンスも出演しています。今回の「キング・オブ・モンスターズ」は様々な怪獣が登場するので楽しみです。
早速ですが感想とレビューを書いていきたいと思います。
前作から5年。全世界は怪獣の存在を知り、世界が変わった
前回のゴジラとムートーの戦いにより世界は怪獣の存在を知り、それを隠していた政府や秘密組織であるモナークに非難の声が上がり、戦いがあったサンフランシスコでは人が住まなくなり、その後には自然が生い茂っていた。
今回の主役の一人であるエマ博士とその娘は幼い弟を怪獣の戦いで死なせた悲しみを乗り越えようとし「オルカ」と呼ばれる機械の開発に成功する。同じ頃、巨大な生物が羽化するのですがオルカを使い怒りを鎮める事に成功します。
オルカは怪獣の声を分析し、時に怒りを沈める事が出来、怒らせる事も出来る。そんなオルカを奪おうとジャル率いる部隊が基地を遅い、オルカとエマ博士、娘を連れ去ってしまう。オルカを奪われ危機を感じたモナークの幹部である芹沢博士は元夫であり初期型オルカの開発者であるマークに助けを求めます。
オルカを完成させてしまった妻の事実。娘も連れ去られた事で怒っていたマークですが、誰もがエマとジャルが引き起こそうとしている惨劇にまだ気づいていませんでした。エマとジャルは南極で氷漬けになっている「モンスター0」を開放しオルカを使って呼び起こそうとしていたのです。
モンスター0は後々「キングギドラ」だと判明するのですが大昔からゴジラとはライバル関係にあり同じ強さを持っていると予想していた芹沢博士は今回の事で更に危機を感じるのですがエマが語った内容を聞きショックを受けます。
その内容は「地球に存在している怪獣は地球を守る為に存在している。ムートーとの戦い後であるサンフランシスコでは草木が茂って地球本来の姿になろうとしているのが、その証拠だ。人間は病原菌のようなもので怪獣は排除しようとしている」と語ります。それを聞いたモナークは黙っている訳がなくエマを探し、オルカを止めようとするのですがキングギドラはただの怪獣とは少し違い「凶暴」という事にエマやモナークは打つ手が無くなります....。
ゴジラファンの監督が作った作品だからこそゴジラファンも納得
監督のマイケル・ドハティはX-MEN2やスーパーマンリターンズの脚本を担当しており、今作も脚本・監督と担当しています。今作の監督は超絶ゴジラオタクで子供の頃からゴジラが大好きとの事。私もすべてのゴジラを視聴し、大ファンとも言える一人ですが、そんな私でも今作はかなり良い出来だと思います。
例えばモスラが登場した時に「美しい・・モスラ・・まさに怪獣の”女王”だ」というセリフ。これには感動しましたね。後、キングギドラのデザインではオリジナルデザインを残しつつ、キングギドラの羽や表情など細かい変化には正直感動です。
ラドンやモスラも大きく変化はありますがオリジナルを生かした変化なので原作ファンの人は満足出来たのではないでしょうか。
怪獣たちも自然の一部であり、それを守ろうと誓う瞬間が良い
キングギドラは日本版と同じで「宇宙怪獣」なので地球にとっての守り手ではないのでゴジラが排除しようとします。キングギドラの声により全世界にいる怪獣が目覚め暴れるシーンがあるのですが、ゴジラとライバル関係であるキングギドラの力は他の怪獣たちに呼びかけ、従わせる力がある事が解ります。
ラストはゴジラがキングギドラを倒し、それで終わりかと思いきや周りにいる怪獣たちがゴジラを囲みひれ伏すシーンがあります。ゴジラを「”怪獣王”」として認めたという瞬間ですね。その後の設定が面白いと思ったのですが「怪獣は自然の一部」と考えていたモナークや芹沢博士の考えは正しかった事が証明されます。ゴジラが通った後は生き物に溢れ、他の怪獣たちが帰った場所にも自然が蘇ります。
絶滅危惧動物が蘇り、地球温暖化も緩和。アマゾンのジャングルが蘇るなど「怪獣=悪」ではなく昔の人は「神」として崇めていた理由がラストにあると解りましたね。
芹沢博士「さらば友よ」というセリフには感動した
ゴジラを研究し政府や軍がゴジラを抹殺しようとする中、懸命に止めていた芹沢博士。キングギドラとゴジラ両方を抹殺しようと考えた政府はあらゆる生物を殺すことが出来るミサイルを発射し、命中するがキングギドラは「再生能力」によりダメージを与える事が出来ず、ゴジラはダメージが残り眠りに入ってしまう。
モナークは「キングギドラを倒す事が出来るのはゴジラだけだ」と考えゴジラを探し、核爆発のエネルギーでゴジラを蘇らせようとするが誰かが犠牲にならなくてはならない。そんな時に芹沢博士が自分を犠牲にしゴジラの側で起爆させるのですが、最後にゴジラに触れながら「さらば友よ」というセリフは感動しました。
ゴジラを追い続け、ゴジラの為に死のうとした芹沢博士の表情はどこか柔らかく「任せたぞ」という意味にも感じる事が出来るのであのシーンは今作の中で名シーンの一つですね。
まとめ:ゴジラファンだけではなく、悩んでいる人は観てほしい
今回のゴジラは米国だけではなく日本含めても上位の作品に入りますね。怪獣の設定なども日本のオリジナル要素が多く含まれており原作ファンとしても「その設定をハリウッド版でも生かしているのか」と驚きます。
何よりも戦闘シーンや街並みなどのCG技術は素晴らしく、これに関しては日本で作成する事が出来ないでしょうね。流石ハリウッドと言える出来栄えです。
パンフレットは特装版を購入しました。パンフレットだけでもカッコいいですね。内容も勿論素晴らしく今作のCG技術や細かい設定の話などが掲載されており、映画を観た後十分楽しめる内容となっているので、是非購入して見て下さい。
これにて映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」のレビュー・感想を終わりたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。