実写映画化の次は長編アニメ化
昨年公開された木村匠海、浜辺美波、小栗旬、北川景子で実写化された「君の膵臓をたべたい」。先日テレビ放送もされ観た人も多いのでないでしょうか。私も昨年劇場で観に行ったのですが、今作は長編アニメ版という事で気になっていました。
1つの小説が実写映画化になり、その翌年に長編アニメ化になるというのは非常に珍しいことだと思うのですが、それだけ今作が様々な人に好まれている理由かも知れません。実際に私も原作を読んだ後、昨年の映画を観たのですが、非常に面白い小説だと思います。さて、気になるストーリーですが。
他人に興味を示すことなく、いつも一人で本を読んでいる高校生の「僕」。ある日「僕」は一冊の文庫本を拾う。「共病文庫」と記されたその本は、天真爛漫でクラスの人気者である山内桜良が密かに日常を書きつづった日記帳で、そこには、彼女が膵臓の病気を患い、残された余命がわずかであることが記されていた。(映画.com引用)
今作のアニメーション版はどのような作品に仕上がっているのか。配給が「ANIPLEX」なので映像美も気になります。早速ですが、感想とレビューを書いていきたいと思います。
ストーリーは実写版よりも原作に忠実
今作は実写映画版では115分という時間でしたが、アニメ版では108分と更に短くなっています。上記にも実写映画版の感想をリンクで貼りましたが、実は実写映画版では「劇場」という長さを考えれば2時間という時間は少ないので、大人になった「僕(小栗旬)」を登場させ「回想風」にする事によってシーンを切り替えたと監督がコメントしていました。
そして今作のアニメ版ですが実写映画では違和感になったであろう、シーンの切り替えなどはアニメらしくテンポの良くストーリーが進んでいきます。
そして内容もオリジナルを加える事を極力少なくし、原作に忠実にストーリーが進むので原作ファンの方も納得出来る仕上がりになっているのではないでしょうか。私は今作のラスト。「恭子と僕は桜良の墓で仲良く想いを送り、桜良との思い出の場所に泊まりに行くほど仲良くなる。そして二人は揃って山内家を訪れる」。
この終わり方が非常に好きなので実写版の時はそればオリジナルに変えられていたのは、少しショックだったのですが、今作は小説を同じ終わり方となっているので、満足出来ました。
映像×音楽で本当に泣いてしまった
キャラクターデザインや風景のこだわりなど、感じる事が出来ました。今作で初めて声優にチャレンジした高杉真宙ですが俳優として活躍されているので演技力はありましたね。「僕」というキャラクターは教室で本を読み、友人を作ろうとしない。
当初は桜良に対し冷たく対応するセリフはどこか棒読みに近いというよりも、興味がなく早く開放されたいと感じ取れました。ストーリーが進むにつれ「僕」の声も感情豊かになってくるので、最初と最後の違いに注目して欲しいと思います。
そして映像美ですが2人で花火を見るシーンは劇場公開が9月ながらも、まだまだ夏を感じさせてくれるような美しさでした。そして今回メインテーマや劇中楽曲を担当されている「sumika」の曲が凄く合いますね。思わず泣いてしまいました。
花火のシーンは今作の名シーンだと思うので、是非劇場で観てほしいと思います。
舞台となっているのは富山県高岡市
「僕」と桜良が住んでいる街は富山県高岡市がモデルになっています。現在富山県高岡市では劇場アニメ「君の膵臓を食べたい」のキャンペーンを行っているようです。
劇中で走る電車は万葉線をモデルとしているので劇場公開される9月1日~来年の5月31日までは「僕」役の高杉真宙、山内桜良役のLynnによる車内アナウンスが流れるようなので、お近くの方は是非行ってみてください。
桜良の病気を知るきっかけとなった病院は高岡市民病院が舞台になっており、その病院から見える場所で桜良が気になっていたという2人が花火を見るシーンは二上山。気になる方はWEB版で舞台となった場所を公開しているので要チェックです。
原作含め、実写版を観た人でも楽しめる作品となっている
長編アニメーションとして公開された今作ですが、個人的には感情移入しやすかったです。実写版が感情移入出来なかったという訳ではないですが、オリジナル要素も強い為、良作には違いないのですが、また違った「君の膵臓をたべたい」だと私は感じました。アニメ版を楽しみにしていたという人も多いと思うので、是非観てほしいですね。
パンフレットでは声を演じられたキャストのコメントや原作者である住野よる、監督の牛島新一郎のコメントなども掲載されています。是非劇場を観終わった後にでも買って読んでみてくださいね。
これにて劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」の感想とレビューを終わりたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。