実話を映画化!!
YouTube動画をきっかけに話題となり「8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら」というタイトルで書籍化もされました。フジテレビのドキュメンタリー番組「奇跡体験!アンビリバボー」で2016年放送され、そして今年2017年には佐藤健さん、土屋太鳳さんのW主演で映画化となりました。
2016年に放送された奇跡体験!アンビリバボーの放送を観たことあるのと、YouTube動画も私は観たことがあるので今作には注目していました。さて、気になるストーリーですが。
結婚を約束し幸せの絶頂にいた20代のカップル・尚志と麻衣。しかし結婚式の3カ月前、麻衣が原因不明の病に倒れ昏睡状態に陥ってしまう。尚志はそれから毎朝、出勤前に病院に通って麻衣の回復を祈り続ける。数年後、麻衣は少しずつ意識を取り戻すが、記憶障害により尚志に関する記憶を失っていた。2人の思い出の場所に連れて行っても麻衣は尚志を思い出せず、尚志は自分の存在が麻衣の負担になっているのではと考え別れを決意するが……。(映画.com引用)
監督は「64-ロクヨン」や「感染列島」で知られる瀬々敬久さん。脚本は「いま、会いにいきます」の岡田惠和さんとなっています。では、早速感想とレビューを書いていきたいと思います。
「命」と「愛」を知れる作品
結婚目前に麻衣さん(土屋太鳳)が抗NMDA受容体抗体脳炎によって倒れてしまします。この作品は「8年越しの花嫁」というタイトルから想像出来ると思いますが、結婚を約束した事により尚志さん(佐藤健)が意識を失って回復するまで待ち続けるストーリーとなっていますが、本当に素晴らしい。
この作品を通して私は「命」の大切さをまず感じました。病気というのは諦めない事が大事なのですが、それよりも支えてくれる家族、恋人の存在が大きいという事に気づかせてくれます。
8年という歳月は映画では2時間という時間ですが赤ん坊が小学校2年か3年になる時間です。それだけ長い時間を愛する人の為に待つという「愛」に感動しました。
途中で挫折し、心が折れそうになるシーンも表現されていましたが、それでも前に進み明るい未来へと進もうとした尚志さんは凄い方です。
抗NMDA受容体抗体脳炎を広く知って貰える為に
私もこの映画を観るまで病名や症状などを知らなかったので調べてみました。
抗NMDA受容体抗体脳炎とは脳の興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸受容体、NMDAグルタミン酸受容体に自己抗体ができないことによる急性型脳炎です。
致死的な疾患である一方、治療により高率で回復も見込める疾患で、卵巣の奇形腫などに関連して発生する腫瘍随伴症候群と考えられているが、腫瘍を随伴しない患者も多数存在しています。
興奮、幻覚、妄想などいわゆる統合失調症様症状が急速に出現するのが疾患の特徴である為、統合失調症との鑑別も重要となっています。
全体的な発生率は現在
不明とされていますが未知の病因とされている脳炎の1%程度含まれていると推定されています。日本では若い女性を中心に年間1000人程度が発症していると推定されているとも言われています。
今作を観て、こういった病気があるという事を知れたのは個人的に大きい事だと思います。全く知らないよりは、何かきっかけで1人でも多くの人が病気を理解して貰えるという意味では今作も同じことが言えると思います。
”もし”自分であれば待ち続ける事が出来るだろうか
私は今作を観ながら「仮に”もし”自分の好きな人が同じような病気になり、待ち続ける事が出来るだろうか」と考えました。
8年という歳月の中に目を覚ましても、記憶が戻るかどうか解らない。回復しても自分との記憶だけ忘れているという状態だったと想像すると胸が痛くなります。
映画では表現されていない苦難も沢山あったと思いますが、自分1人ではなく周りに支えられ、結果結婚した尚志さんと麻衣さんの愛とはまた少し違った強い繋がりがあるように感じました。
この感動の実話に感動する人も多いはず
珍しく日曜日に映画を観てきたのですが、今作を観ている年齢層を見ると若い人が多いのではないでしょうか。私が見た限り女性の割合が多いような気がします。
本当に「これが実話なのか」と思えるようなストーリーに一度観た人は驚いたと共に「命の大事さ」「愛情」に涙した人も多いのではないでしょうか。私も映画の途中やラストなど涙溢れるシーンが多数ありました。是非観て欲しい作品ですね。
パンフレットには佐藤健×土屋太鳳のインタビューや監督の今作に対する想いなどが掲載されています。また今作の撮影は岡山県で撮影されたのですが、今作に登場した展望台や結婚式場、校庭などの撮影場所を記したマップなども掲載されているので、岡山県に行った際には訪れてみるのも良いですね。
これにて「8年越しの花嫁 奇跡の実話」の感想とレビューを終わりたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。
(次回はスターウォーズ 最後のジェダイの感想とレビューを書きたいと思います)