全世界累計900万部以上!
「東野圭吾史上、最も泣ける感動作」というフレーズが予告で気になって原作を購入し読んだのですが「これは映画館で観たい!」と思えるストーリーだったので、非常に楽しみにしていました。
2013年、2016年、2017年と舞台化され、そして2017年9月23日には日本で劇場公開となっています。日本公開前に中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、マレーシアで公開し釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門への出品も決定しています。では、気になるストーリーですが。
2012年。養護施設出身の敦也は、幼なじみの翔太や幸平と悪事を働いて1軒の廃屋に逃げ込む。そこは、かつて町の人々から悩み相談を受けていた「ナミヤ雑貨店」だった。現在はもう廃業しているはずの店内で一夜を過ごすことに決める3人だったが、深夜、シャッターの郵便受けに何かが投げ込まれたことに気づく。投げ込まれていたのは1980年に書かれた悩み相談の手紙で、敦也たちは戸惑いながらも、当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くことに。やがて、この雑貨店と浪矢の意外な秘密が明らかになり……。(映画.com引用)
では、早速感想とレビューを書いていきたいと思います。
キャストに違和感があったが始まってみると問題無し
ナミヤ雑貨店の奇蹟は全部でいくつかのストーリーに分かれているのですが、原作を読んでいない人でも、読んだ人でも楽しめる映画に仕上がっていると思います。悪事を働く3人組のリーダー的存在である敦也を演じたのはHeySayJUMPの山田涼介さん。
最近ではテレビドラマだけではなく、今年冬公開予定「鋼の錬金術師」の主役であるエドワード・エルリックを演じるなど、演技力は間違いないです。
ただ小説を読んでいる時に私が思ったのは「私の持っている3人組とキャストの3人組のイメージが全く違う」というポイント。この点が不安だったのですが、映画が始まると違和感が無くなっていきますね。山田涼介さん、村上虹郎さん、寛一郎さん。そしてナミヤ雑貨店の店主を演じた西田敏行さん。
映画が進むにつれて各々が個性を出し、最初の違和感が嘘だったかのように最後は「良い映画だった」と思えたのは、個人的に大満足出来たと思います。
ハンカチは必須!このストーリーは泣ける!
忍び込んだ「ナミヤ雑貨店」で起こる不思議な出来事は様々なストーリーがあります。原作には無いストーリーも存在しますが、それも上手に組み合わせて作成してあると感じました。
例えば悪事を働いていた3人組の少年も各々の思いや過去がある事がストーリーが進むに連れて解ってくる。そして手紙が届き舞台は1980年代の「魚屋ミュージシャン」の話しへ。このストーリーのすべての始まりと言っていい人物ですが、後々に登場する人物たちはすべては「ナミヤ雑貨店」と「丸光園」につながっていきます。
序盤は自分たちが人の相談に乗れるような人物ではないと語っていた3人組も手紙が届き、回答しているうちに少しずつですが変化していきます。
ストーリーを分けるとするのであれば全部で4つあるのですが、4つすべてに感がさせられる部分があり、映画のラストだけ感動するのではなく映画全体を通して感動する作品になっているのは珍しいと思いました。
私はハンカチを持っていませんでしたが、これからこの映画を観るという方はハンカチ必須で行って観てください。
今の時代だからこそナミヤ雑貨店のようなお店が必要だと感じた
悩み相談を受け、その回答を牛乳箱に入れるというナミヤ雑貨店。そういったお店、店主の存在というのは今では少なくなってきているでしょう。
地域の人をよく知り、誰からも愛される人というのは非常に少ない。しかし映画を観ていて「ナミヤ雑貨店のようなお店、いいな」と思いました。今でいうYahoo掲示板やSNSのような存在かも知れませんが「手紙」という温かみのあるやり取りは観ていて時代の良さが感じ取れる部分でもありますね。
映画の中で「もし自分の回答で不幸になった人がいるかも知れない」と嘆く店主の姿がありますが33年後の未来から届いた手紙には「ありがとうございます」という手紙が沢山ある事に店主が感動するシーンが存在します。
自分のやってきた事は間違いではなかったと安心する店主の顔は自分の死が近づいている事を知りながらも幸せそうな顔をしているのが、また感動してしまいました。
23日、24日の動員数1位を獲得!まだまだ動員数は増えるぞ!
23日と24日の全国映画動員ランキングが発表されましたが「ナミヤ雑貨店の奇蹟」が動員数1位を獲得しました。まだ「あさひなぐ」が2位。「ユリゴコロ」が8位とまずまずですね。
パンフレットではキャストによる映画の見どころ。インタビューは勿論ですが解りやすい人物相関図も掲載されています。私のオススメは山田涼介さん、村上虹郎さん、寛一郎さんのトーク。お互いの第一印象などを語っているので、ファンの方は必見だと思います。
今回のナミヤ雑貨店の奇蹟は「面白かった」というよりも「考えさせられた」という気持ちですね。映画を通して何を思うかは解りませんがナミヤ雑貨店で「もし自分だったらどんな悩みを相談するのだろうか」と考えながら観ると面白いと思います。
これにて「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の感想とレビューを終わりたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございます!次回は「ユリゴコロ」のレビューを書いていきたいと思うので、是非お楽しみを!