近畿地方から送るゆる~いブログ

rel=”canonical” https://yuruiblog.com/

近畿地方から送るゆる~いブログ

近畿地方、主に滋賀県からお送りする雑記ブログです。映画や読書、滋賀県の素敵な観光地からお食事まで様々な事をご紹介したいと思います。

【映画・ネタバレ有・追記有6月21日】夜明け告げるルーのうたを観てきた感想とレビュー-映画を観た人が一歩踏み出す勇気を貰える作品-

湯浅政明監督最新作「夜明け告げるルーのうた」

f:id:masanori1989:20170522160935p:plain

湯浅政明といえば私も先月観てきた「夜は短し歩けよ乙女」の監督ですが、今回は湯浅政明の完全オリジナルアニメーションという事で実はかなり期待していました。

www.yuruiblog.com

 夜は短し歩けよ乙女やテレビアニメ「四畳半神話大系」や劇場版クレヨンしんちゃん「ヘンダーランドの大冒険」「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」では絵コンテも担当しています。今回の夜明け告げるルーの歌は湯浅政明の新境地と言っても良い。湯浅政明の新境地第一弾として私は「四畳半神話大系」の存在は大きいと思う。森見登美彦原作である作品の雰囲気を最大限に活かしつつも湯浅政明の世界を存分に発揮できた作品だと思う。同じく先月公開された森見登美彦原作「夜は短し歩けよ乙女」も同じことが言える。夜は短し歩けよ乙女のレビューの際に少し書きましたが、小説の世界観を崩さずにアニメーション化した事は本当に素晴らしいことだと思う。

一度小説を読んだことがある人ならあの世界観を映像化するという事はとても難しいことだと思うはず。ただ映像で観てみると上手に再現されている。そんな湯浅政明の最新作、しかもオリジナルアニメーションという事で早速感想を書いていきたいと思います。

 

年齢層関係なく「面白い」と思える作品

f:id:masanori1989:20170522161101p:plain

夜明け告げるルーの歌は完全なオリジナルアニメーション作品という事で主人公カイと人魚のルーという、そして遊歩や国夫という友人が中心となっている。自分の世界に閉じこもっているカイを観ていると現代社会の子供に多い性格だと思った。自分独自の世界観を持ち、自分の意見があまり言えない。自分の感情を表に出すのが難しい性格なのでしょう。そんな目の前に現れたのが人魚のルー。ルーというキャラクターは年齢層関係なく「可愛い」と思えるキャラクターではないだろうか。例えば音楽が好きで、音楽が流れ始めるとルーの尻尾が足に変わり歌って踊り始めるシーンがいくつかある。そのシーンは観ている人までも踊りたくなるような楽しい姿。リアルな悩みを抱えるカイとファンタジーで可愛いルーの2つの世界観は「面白い」と思った。

f:id:masanori1989:20170522162320p:plain

ルーと出会った事により段々とカイの表情が柔らかくなっていく。最初は「音楽好き」という事を隠していたカイだったがルーと出会った事により自分の殻を破るように成長していく。最後にカイが「歌うたいのバラッド」を歌うシーンがあるが、そのシーンは感動した。ルーを力を与えたい。その気持ちで歌うシーンは観ている人に「何かをする時にはまず一歩踏み出す力」を与えてくれるような気がする。

また私が湯浅政明の新境地と書いたのは年齢層関係なく楽しめる作品である事。前作の「夜は短し歩けよ乙女」や「四畳半神話大系」はやはり子供向けとは言えない作品だと思う。しかし今回の夜明け告げるルーの歌は子供でも楽しめる作品だと思った。可愛いルーの姿、音楽、ストーリー。難しく考える必要のない作品ながらも観る人によっては「青春映画」だったり「ファンタジー映画」だったり。視点を変えるだけで新しい発見が出来る作品だと私は思いました。

 

(追記6月21日)フランスで行われたアヌシー国際アニメーション映画祭でグランプリ!

「夜明け告げるルーのうた」が長編コンペティション部門の最高賞を受賞しました!これは本当にめでたいですね。日本で受賞したのは1995年「平成狸合戦ぽんぽこ」以来となる22年ぶりの受賞となります。

f:id:masanori1989:20170621014037p:plain

現在、上映している映画館は3館なのですがグランプリを受賞した記念として「夜明け告げるルーのうた」を再度上映する映画館が27館追加されるようです。上映中に観れなかったが気になる!という方はお近くの劇場に是非行ってみてください。

www.toho.co.jp

 

感想:湯浅政明の新境地として成功の作品だと思う

f:id:masanori1989:20170522155403j:plain

今回もパンフレットを購入しました。ルー役の谷花音さん、カイ役の下田翔太さんを始めとして各キャストさんのインタビューがのっています。特に千鳥のお二人のインタビューが面白かったですね。劇場を観る前に調べてから観に行ったのですが劇場を観てみると全く違和感が無いです。むしろいい味を出しているキャラクターなので今度もアニメーション映画のキャストに選ばれても良いと思いましたね。

f:id:masanori1989:20170523222029p:plain

そして湯浅政明監督と脚本吉田玲子さんのトークやキャラクター原案のねむようこさん。音楽担当の村松崇継さん。主題歌を歌う斉藤和義さん。そしてこういったパンフレットでは珍しい「フラッシュアニメーションの世界」ということでフラッシュアニメーターのアベル・ゴンゴラさん&ホアンマヌエル・ラグナさんのコメントもあります。業界を目指している人にとっては貴重なコメントではないでしょうか。今作の夜明け告げるルーの歌ではルーの髪は常にゆらゆらと動いているのですが、どのように表現して作成したのかが書かれています。気になった方はパンフレットを買ってみてくださいね。以上で「夜明け告げるルーの歌」の感想・レビューを終わりたいと思います。