近畿地方から送るゆる~いブログ

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近畿地方、主に滋賀県からお送りする雑記ブログです。映画や読書、滋賀県の素敵な観光地からお食事まで様々な事をご紹介したいと思います。

『映画・ネタバレ有』池井戸潤原作の話題映画「七つの会議」を観てきた感想とレビュー-この落とし前きっちり付けさせてもらう-

池井戸潤原作作品が2作目の映画化

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今作の七つの会議は2013年にテレビドラマとして放送された事もあり、その時視聴した人もいると思います。テレビドラマでは八角役を吉田鋼太郎が演じ、今作の映画版では野村萬斎が八角を演じています。

 

池井戸潤の作品としては2作目となる劇場化ですが前作でもある「空飛ぶタイヤ」は私個人的に非常に良い映画だったと思います。

 

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今作も企業の「闇」をテーマにした作品であり「居眠り八角」が巻き起こす騒動が会社にどのような影響を与えるのか。気になるストーリーは。

 

中堅メーカー・東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫は、いわゆる「ぐうたら社員」。トップセールスマンで、八角の年下である課長の坂戸からは、そのなまけぶりを叱責され、営業部長・北川誠が進める結果主義の方針の下、部員たちが必死で働く中、八角はひょうひょうとした毎日を送っていた。そんなある日、社内でパワハラ騒動が問題となり、坂戸に異動処分が下される。坂戸に代わって万年二番手に甘んじてきた原島が新しい課長として一課に着任するが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた。(映画.com引用) 

 

野村萬斎、香川照之、及川光博、片岡愛之助、藤森慎吾、吉田羊、土田太鳳、橋爪功、北大路欣也、音尾琢真と豪華俳優陣となっています。平成最後の企業ドラマ。監督は「陸王」「半沢直樹」「祈りの幕が下りる時」などの福澤克雄。

 

「居眠り八角」が巻き起こす騒動、そして舞台となる東京建電の「闇」とは何なのか。早速ですが感想とレビューを書いていきたいと思います。

 

元エリート社員だった「居眠り八角」

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野村萬斎演じる「居眠り八角」という万年係長は大事な会議であろうと、仕事中だろうと居眠りをする事から名付けられた名前です。もちろん、普通の企業であれば、そういった写真を切る所ですが八角はなぜか首にはならない。

 

周りの人間も不思議に思っている時に課長である坂戸から「もう我慢出来ない」と無理な仕事を押し付けられ、暴言を吐かれる八角ですが「この落とし前つけさせてもらう。パワハラとしてな・・」と言うのですが、東京建電では無理な仕事、暴言などは当たり前で他の社員は「今更」と呆れて笑うのですが、なぜか坂戸は人事課に飛ばされてしまう事となる。

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二課の原島が新たに一課の課長として着任するが八角と関わった人物が次々謎の転勤や移動になっている事に気づき「八角さんは何か隠している」と調べ始めます。そうすると八角は入社以来評価は「S」ですが係長になってから最低評価の「E」。これに疑問を思った原島が「八角が隠している”何か”」を探ろうとし今作の「闇」が暴かれていきます。

 

企業が隠していた「ネジ」の秘密

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八角が隠していた事実。それは東京建電が下請けに依頼していた「ネジ」でした。そのネジは通常の半分程度の強度しか無く、パイプ椅子などに使われているネジもあれば電車の座席、飛行機の座席など様々な場所で使用されている事が発覚します。

そして八角が「ぐうたら社員」になった理由。それは20年前に隠された「ネジ」が原因だという事も解ります。この「七つの会議」では「ネジ」を中心に東京建電と親会社であるゼノックスをも巻き込む大きな事件へと発展していきます。

 

エンディング時のセリフが印象的「命より大切なものはない」

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八角が内部告発をした際に「今後のために不正がなぜ起こったかと考えていますか」という質問に対し語るシーンがあるのですが、その言葉が今作のすべてだと思いました。例えとして八角が話していたのは「幕府」の話。

 

幕府があり、そして「藩」がある。「藩」が今の「会社」であり、日本人というのは昔から藩のために命をかけようと生きてきた。言わばサラリーマンは現代の侍であり、会社の為と命をかける人が多すぎる。一人一人が「命より大事なものはない」と意識するようにすれば不正は少なくなるのではないだろうか。

 

監督が池井戸作品を作っている以前から思っていた事らしいのですが日本社会が世界的に見ても不正が多いのは上記の例が一番大きな理由だと考えているようで、それをセリフにしたようです。私としてはこのセリフが今作「七つの会議」の総合テーマであり、ラストにピッタリのセリフだと感じました。

 

野村萬斎演じる八角の独特な雰囲気

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普段がぐうたら社員な八角ですが「ここぞ!」というシーンでは真剣な表情になり「これ以上探るな」と警告したり怒ったりするシーンも印象的でした。特に八角の笑い方である「イッヒッヒッヒ」というセリフ。

 

八角の二面性を表している笑い方でもありますが、野村萬斎の演技は八角の持つ独特な雰囲気が伝わってきて、企業に対して、また個人に対して熱い気持ちを思っている男だとスクリーン越しで感じる事が出来ました。

 

七つの会議が週末興行収入第一位を獲得!!

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七つの会議が週末動員数1位を獲得しました。同じく公開された「雪の華」は3位、そしてメリー・ポピンズ リターンズは5位という結果となりました。今作は上映前から評価が高かったので当然の結果に思いますが、予想以上に動員数が多いので来週も1位をキープ出来るかも知れません。

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今作のパンフレットでは各出演時のコメントが多く掲載されており、通常のパンフレットと比べると非常にボリュームのある内容となっています。映画を観た後、是非購入して読んでみてください。これにて映画「七つの会議」の感想とレビューを終わりたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございます。

七つの会議 (集英社文庫)

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