「さらば新参者」。シリーズ完結作品
2010年にテレビで放送された連続ドラマ「新参者」。平均視聴率は15.22%と好調で、その後映画化、テレビスペシャル版など、どれも人気の高い作品となっています。加賀恭一郎シリーズとしては第10作品目となる映画化となるのですが「新参者」としては今作が完結となります。さて、気になるストーリーですが。
東京都葛飾区小菅のアパートで滋賀県在住の押谷道子の絞殺死体が発見された。アパートの住人も姿を消し、住人と押谷の接点は見つからず、滋賀県在住の押谷が東京で殺された理由もわからず捜査は難航する。捜査を進める中で加賀は、押谷が中学の同級生で演出家の浅居博美をたずねて東京にやってきたことを突き止めるが……。 (映画.com引用)
加賀恭一郎の「過去」に迫る今作。監督は「半沢直樹」「3年B組 金八先生」などを手掛けた福澤克雄。今作はどのようなラストを迎えるのか。早速感想とレビューを書いていきたいと思います。
新参者の過去がついに幕が開く!ストーリーを一部公開!
日本橋を舞台に主人公の恭一郎が様々な難事件を解決する人気作品。ドラマ第1話では日本橋署に着任して右往左往で日本橋を歩く姿もありますがドラマ、映画、スペシャルドラマに進むにつれて「名物刑事」のような存在になっていきます。
そんな今作は死後20日が経過した腐乱死体が発見された事から始まる。顔や年齢は不明で判明したのは部屋を契約していたのが越川陸夫という男性だった事が解る。そして死後20日経過していたのが滋賀県彦根市在住の押谷道子という事も解った。松宮は捜査員がいなくなった部屋に置いてあったカレンダーに橋の名前があった事を疑問に思う。
同時期に発生していたホームレスビニールハウス放火事件との関連性を疑い始める。そしてなぜ押谷は滋賀から東京に来たのか。捜索すると演出家である浅居(松嶋菜々子)という人物が押谷の同級生だった事が解った。松居は浅居に話しを聞きに行き、その部屋で押谷と加賀(阿部寛)が写っている写真を見つけ驚く事となる。
松宮が加賀に聞くと昔、日本橋署主催の剣道教室で自分が講師をしていた事があること。そして役者の卵たちに剣道を教えた際に知り合い、まだ会って間もない自分に「自分が流産した事がある。人殺しなんですよ」と教えてくれた事があり、よく覚えているとの事。一方越川とホームレスのDNAが一致しなかった為、捜査が最初からやり直すように見えたが加賀のアドバイスを聞いた松宮が再鑑定した結果、見事一致。
2つの事件は重なり、大きな進展へと繋がる事になる。その後、松宮と加賀は常盤橋で出くわしカレンダーに「常盤橋」「柳橋」「浅草橋」「左衛門橋」という書き込みがあった事を加賀に伝えると加賀は驚愕し松宮の胸ぐらを掴んだ。
そのカレンダーに残されたメモは加賀の母である田島百合子の部屋に残されたメモと一致したからだ。「この事件は自分の母。過去と大きな繋がりがある」と知った加賀はこの事件の真相を突き止めようと捜査に乗り出す・・・・。
母である「田島百合子」。そして鍵を握る「浅居博美」
今作の鍵を握る重要人物となるのは松嶋菜々子さん演じる浅居博美。加賀が事件を解決するには彼女に会わなければいけない。そんなセリフを出すほど今作との関わりは非常に大きい人物となっています。
そして母である田島百合子がなぜ自分を置いて出ていったのか。父を憎む事しか出来なかった加賀が今作でどのような変化があるのかも必見と言えます。「新参者」シリーズ最終章という事もあり今作は加賀恭一郎の過去に急接近する話となっているので、最後まで目が離せません。
浅居博美が一体どのような人物なのか。そのラストに誰もが驚く事だと思います。
捜査が困難になった焼死体の人物
様々な名前が浮かびあがる「越川陸夫」という人物。この人物が加賀の母と大きな繋がりがあり、事件を解決するには一体、この焼死体が”誰”なのか。それを解決するしかないと思った加賀。今作のメインの調査と言っていいでしょうか。
この焼死体と浅居博美との関連性が一体どのように繋がるのか。私は映画を観ながらこの焼死体の人物を知った時、この事件は悲しくも、そして愛を感じる殺人に悲しくも切ない気持ちになりました。
加賀がよく食べていた「重盛の人形焼」
今作では加賀が美味しいとよく食べていた七福神の顔をした重盛永信堂さんの名物人形焼。今作で加賀はこの人形焼を3度食べるのですが、気になったので調べてみました。昨年、創業100周年を迎えた重盛永信堂さん。大正6年に人形町通りに創業し、昭和初年に人形町現地点へと移転されます。
私も一度七福神の人形焼をお土産で貰ったことがありますね。練馬に住んでいた人だったので重盛永信堂さんの人形焼だったのではないでしょうか。創業100年。長く愛されているお店というのは貴重で、映画を観ていると食べたくなってしまいますね。
今作は最終章に相応しい出来栄え!
今作は加賀恭一郎シリーズとして最終章となる「祈りの幕が下りる時」ですが非常に良い出来栄えだったと言えます。面白くも、切なく、悲しく。ストーリーが進むにつれて「何が正しく、何が間違っているのか」。そんな簡単な答えではなくもっと複雑な気持ちになってしまう作品でした。
祈りの幕が下がる時のパンフレットを購入しました。加賀恭一郎の自己紹介や、今作に登場するお店などの紹介。ファンなら大好きな内容ばかりだと思います。是非、手に入れてくださいね!
これにて映画「祈りの幕が下りる時」の感想・レビューを終わりたいと思います。次回は「ダークタワー」を観てきたので、是非ご覧ください。