期待していたよりもずっと面白い映画だと思った
ザ・マミー 呪われた砂漠の王女ですが前評判はイマイチで「ハムナプトラ 失われた砂漠」と似ているというコメントが多数ありましたが、私はその点理解していたので楽しみにして観に行ってきました(後ほど解説します)。では、気になる内容ですが。
2000年の眠りから目覚め人類への復讐を開始した古代エジプトの王女と、飛行機事故による死からよみがえり世界を救うべく立ち上がった男の戦いを描く。古代エジプトの王女アマネットは次期女王になる約束を裏切られた怒りから闇に堕ち、生きたまま石棺に封印されてしまう。それから2000年後、中東の戦闘地帯で石棺が発見される。発掘に立ち会った米軍関係者ニックは、考古学者のジェニーらとともに輸送機で石棺をイギリスに運ぼうとするが、その途中でトラブルが発生。ジェニーは脱出したものの、ニックを乗せた輸送機はロンドン郊外に墜落し、石棺が行方不明になってしまう。 (映画.com引用)
ユニバーサル・ピクチャーズが立ち上げた「ダーク・ユニバース」プロジェクト第一弾の作品なので期待が持てます。では、早速感想とレビューを書いていきます。
本作は「ミイラ再生」のリブート作品である事
今回のザ・マミー 呪われた砂漠の王女は1932年に公開された「ミイラ再生」のリブート作品である事。この「リブート」というのはシリーズにおける連続性を捨て、新たに仕切り直す事を言います。例えば今回のザ・マミーでは「ミイラ」が核となるキーワードであり、それ以外のキーワードを改変して作成するという事ですね。
「The Mummy」というタイトルは「ハムナプトラ 失われた砂漠の都」も原題は「The Mummy」なのですが実はハムナプトラもミイラ再生のリメイク作品となります。ダーク・ユニバースプロジェクトは今後「フランケンシュタイン」、「アマゾンの半魚人」、「透明人間」、「ヴァン・ヘルシング」など公開していく予定との事です。
映画の評価に「ハムナプトラよりもイマイチだった」というコメントが非常に多いですがリブートという意味では今作は面白い作品に仕上がっていると思います。
今回の鍵を握る「秘密結社プロディジウム」
悪しき女王アマネットを捕らえ、そのアマネットに選ばれたニックをも捕らえた秘密結社プロディジウム。ラテン語で「モンスターへの警告」を意味する組織なのですが今後のダーク・ユニバース作品には欠かせない組織となるのではないでしょうか。
劇中に登場した小道具の中に「半魚人」、「ドラキュラ」などのサンプルが保管されている部屋が登場しますが今後ダーク・ユニバースが今後「アマゾンの半魚人」や「ヴァン・ヘルシング」をリブートして公開する事を考えると今後重要な役割がある組織になると思います。
トム・クルーズがこだわっているスタントの世界
イラクからロンドンへと移動中の飛行機がイギリスで墜落してしまうシーンがあります。その中でニックとジェリーは墜落する飛行機の中で無重力状態になり機内に叩きつけられるシーンがありますがトム・クルーズの要望ですべてのスタントを実際に行いたいという要望があったそうです。
その際に考え出されたのは20tの鉄骨フレームで出来た貨物輸送機のセットが作られ輸送機の設置場所は水面という大掛かりのものです。その中で飛行機を回転させあのシーンが出来たのですが、キャストが怪我をしないように機内の小道具などはすべてゴム素材で出来ているというから驚きです。
また映画制作では初となるフランスのボルドーを拠点とする航空宇宙企業のノヴァスペース本社へと移動し本物の機体を使用して無重力シーンの撮影を完成されています。本物の機体であるエアバスA310が飛行しキャストとスタッフ合計40名が機内で無重力状態を体験。こうしてあの落下シーンが完成したという事ですね。
VFXを最大限利用した現代のミイラ映画
悪しき女王アマネットはミイラの段階から人間の生気を吸い人間の形へと徐々に戻っていくが、それはVFXで作成されています。映画ハムナプトラのイムホテップがミイラから人間に戻っていくシーンがありましたが、こういった技術というのは観ていてとてもおもしろい。最初は人間と呼べるのは形と骨だけだったミイラが徐々に人間に戻っていく姿というのは怖さもあるが、観ている人に「興味」を持たせる。
アマネットの不気味さはアマネットを演じたソフィア・ブテラの演技力もあるのではないでしょうか。ミイラから人間に戻っていく時に不気味な動きをするのですが、そういった動きは彼女がダンサーという職についているからでしょう。通常の人が出来ない動きでアマネットを演じているのが好印象を持った。
予想よりも面白い作品に仕上がっていると感じた
今回の「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」は思っていたよりも面白い映画に仕上がっているのではないでしょうか。ただ1つだけ不満を書くのであれば全体的なストーリーというのはシンプルだったのではないでしょうか。古代エジプトの事を研究する人を「エジプト学」といいますが、もっと謎を深め、もっと不気味に仕上がっていたら更に良かったかも知れないと感じました。
パンフレットには映画の制作秘話やキャストのインタビューなどが書かれています。美術や衣装制作秘話など映画を観た後読むと「あのシーンはそのように出来ていたのか」と感心するものばかりです。これにてザ・マミー呪われた砂漠の王女のレビューと感想と終わりたいと思います。