近畿地方から送るゆる~いブログ

近畿地方、主に滋賀県からお送りする雑記ブログです。映画や読書、滋賀県の素敵な観光地からお食事まで様々な事をご紹介したいと思います。

【ホラー映画大賞作・ネタバレ有】ミッシング・チャイルド・ビデオテープを見た感想と考察を書いていく

第ニ回ホラー映画大賞の大賞受賞監督デビュー作品

ジャパニーズ・ホラーは何気にレンタルですが実は色々見ていまして。今回もU-NEXTでレンタルを開始していのでミッシング・チャイルド・ビデオテープを早速視聴してきました。今作は最近のJホラーと違った感想を持ったのは昔のJホラーの雰囲気によく似ているかなという印象です。この令和作品で「ビデオテープ」を題材にした作品というのは珍しい。しかも作中に数多く、そういったビデオテープの映像を使ったものが登場するので不思議で不気味さを演出しています。私は平気だったのですが一人称視点で走ったり、激しい画面揺れなどがあるので画面酔いしやすい人には少し注意が必要です。

 

またJホラー特有の静か過ぎる音からの急な爆音などもあるのでこちらも注意ですね。この演出ばかりはJホラーの伝統芸と言いますか。これは仕方ないと諦めるしか無いです。さて本題に戻し今作の面白いという点は全体的に視聴してすべて解決しない。という事でしょうか。起承転結という話の流れに「5W1H」が沢山含まれているという事でしょうか。この点に関しては感想・考察という部分で少し書いていきたいと思います。

 

そもそものきっかけになった「弟の失踪事件」

主人公(敬太)の幼少時代に「弟が失踪していた」というのがこの物語が始まります。母親から送られてきたビデオテープがきっかけで霊感がある司と一緒に視聴し「それは捨てるか燃やした方が良い」という所からビデオテープ自体が良くない事だという事が解ります。そして序盤に遭難した子どもを助けた敬太を英雄として新聞記事にしたい新聞記者の美琴。敬太と司は同棲している事から関係性はあるのですが、記事にしたいと近づいた美琴も今回の事に巻き込まれる事になってしまいます。

 

ビデオテープを返しに実家に行く事によって敬太、司。そして追いかけていった美琴も段々と「山」に向かい事になるのですが、この弟の失踪事件は地域の皆が探し知らない人はいないという程有名な事件となっている訳ですが、その山には昔から神隠しや失踪事件などが数多くあり弟が最初ではないというのがポイントですね。

大学生が失踪した時に持っていたテープにも失踪直前までの録音が記録されていましたが「声が聞こえる」「いや聞こえない」と感じる人と感じない人がいた。というのも、ここで解ります。これは山に招かれていた人物とそうじゃない人がいて、結果全員が失踪してしまった。という事なのではないかと予想しています。

 

なぜ美琴に亡くなった敬太のお父さんがついているのか

敬太にインタビューしたいと司に名刺を渡した美琴ですが敬太の父から「息子をよろしくお願いします」と電話があった事を伝えるシーンがあります。山で失踪した人や魅了された「よくない霊」が沢山いるのであれば、敬太の父である霊が美琴さんに付くという理由も無いんですよね。しかも「よろしくおねがいします」というメッセージまで残している。それを伝えるのであれば霊感が強く同棲までしている司に伝えるのが一番理解しやすいのがストーリー的には自然な事だと思いました。

弟の事で山に行く事が確定しているであろう敬太の事を守ってほしいという意味ならば納得するのですが美琴にメッセージを残し、しかも後半には敬太を追いかけようとした美琴の手首を握って止めるシーンまである。この事から私が思ったのは「敬太と美琴を生残し二人に家族になってほしい」もしくは「司を山に閉じ込める為には美琴を利用した」と思いました。

 

ビデオテープという題材は「家族」をテーマにしているから?

ビデオテープの映像が多く流れるのですが主人公が実家に行った際に「自分と弟を休日に連れて行って、お兄ちゃんを見て学ぶんだぞという父の言葉を聞き、父親を演じているんだなって思った」と発言しています。弟とのキャッチボール姿、そして弟が失踪する直前までのシーン。弟が失踪していないのに誕生日を祝っている両親の映像。ホームビデオというのでしょうか。昔は家族団らんの要素をビデオテープで残したりする文化があったりしたので、このビデオテープというタイトルから「家族」という事を連想させているのかなと思いました。なので上記でも少し書いた「敬太と美琴と一緒になってほしい」という父の願いがあったのかも知れませんね。

 

大賞作らしい比較的「見やすい」ホラー映画だった

作品としてはそこまで怖くないホラー映画だったのではないでしょうか。序盤にも書いた通り起承転結の「起」に対し5W1Hが存在し解決しないまま「承」にいきまた新しい5W1Hの謎が生まれる。しかも謎は完全に解決されないまま物語は終わりを迎えるので見た人によって「これは何だったのだろうか」という疑問が残ったままエンドロールを観ることになると思います。ただ考察とか好きな私としては嫌いじゃない終わり方でしたね。不気味な雰囲気がずっと続きながらも呪怨やリングといった怖さでない、また違ったドキドキが味わえるのではないでしょうか。最近ホラー映画見てないから、観てみたいという人は是非視聴してみてくださいね。